ホースの水も大好きです…愛にあふれた黒猫さまとぶち猫さまの生活 – 取材、文・Manabu Matsunaga | ananweb – マガジンハウス

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フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第96回目は黒猫のブレイズ・エベーヌ(Breiz-Ebène)さまとぶち猫ミックスのトーキョー(Tokyo)さま。

ヒトと幸せに生活する猫さまたちの物語

【フレンチ猫さま】vol.96
猫さまの話をもっと聞かせて! 
ブレイズ・エベーヌさまは13歳、トーキョーさまは2歳。共に女性猫さまです。




ブレイズ・エベーヌさまインタビュー



ブルターニュで生まれ、いつも住んでいるパリと定期的に行くブルターニュで飼い主と一緒に暮らしています。
私は、一緒に育ってきたこの家の3人の子どもたちに囲まれ、子猫のころから美しい人生を歩んできました。今までいろんなことを経験してきました。



生後6か月のときに3週間迷子になりました。飼い主は家の周りの通りに広告を出し、悲みにあけ暮れた毎日だったようです。ある日、私を見つけた人が小さな黒猫ではないかと飼い主に尋ねてきました。はい、私も飼い主もこの瞬間は最高の幸せでした。今は家族に囲まれて、シンプルで落ち着いた生活を過ごせています。



可能な限り庭で日光浴をするのが好きで、季節によっては飼い主が植物に水をやるときホースの水が噴き出したところで涼むのが好きです。水が流れている音を聞くと、すぐに現場に向かって走っていきます。飲むか、水の流れの下に立つ。水がかかってもへっちゃらなんです。


トーキョーさま



私は、ブレイズ・エベーヌとは違ってここの家に仮住まい中です。路上で4名の赤ちゃんを産んで弱っていたところを今の家の人に保護されました。子ども達はすでに里子に出てしまいましたが、私も恋をした誰かに養子縁組されるのです。



元々、人間から離れて生まれ育ったので、人と接する方法がいまひとつわかっていませんでした。いつも自分自身を隠したいと思っていたのです。しかし、日が経つにつれ、自分の幸福のためにこそここにいることを理解でき始めました。最近はここの家の人にも少し慣れてきて温かい生活を発見しました。




飼い主から見たブレイズ・エベーヌさまとトーキョーさまは?
私たちは、すでに彼女らの前に生姜猫(茶トラ)2匹を飼っていました。私の両親の家で生まれたきょうだい猫です。この2匹の猫は私の最初の「赤ちゃん」で、たくさん抱きしめました。その後、私の夫との間に子どもが3人生まれました。私たちの2匹の生姜猫は、私たちの家族の真のメンバーでした。私たちには3人の子どもと2匹の猫がいて、すべてが私たちにとって完璧でした。



時を経て2匹の猫は1年おきに老衰で亡くなり、とても悲しかったです。私の悲しみが大きすぎて猫を「置き換える」ことができなかったので、猫がいない生活が始まりました。再び猫を愛することができると自分に言い聞かせるのに4年間かかりました。



それからブレイズ・エベーヌがやってきました。成長期に重度の喘息発作を起こした彼女は、小柄で軽いままでした。彼女がぜんそくの発作を起こさないように、優しくしなければならないし、彼女が眠っているとき、呼吸が良いかどうかも聞く必要があります。彼女は私たち全員に、優しさをもって人生に取り組むことを教えてくれました。

トーキョーは、野良猫として生活していたので、非常に警戒心が強い猫です。外で生き残ることを可能にしたのは、確かにこの警戒心です。彼女は今、家族として私たちと一緒に暮らし、私たちを信頼しています。外の様子のすべてが順調であることを理解すると、すぐに彼女は戻ってきます。それ以外は、家で一日中遊びたがる幸せな猫です。彼女はよく私たちの足元に来て、遊ぶことができるようになるまで私たちを見守っています。彼女の視線は私たちを愛で溶かします。



最初、彼女は私たちをとても怖がっていました。彼女は子どもたちの世話をしなければなりませんでした。子どもたちはとても遊び好きで、臆することなく私たちのところに来ましたが、反対にトーキョーは、私たちの目や手から遠く離れて自分自身を隠したいと思っていたようでした。冬の真っただなかに屋根を与え、豊かな食事を与えて安心させ、彼女が疲れることなく4名の小さな子どもたちを育てることができるようにしました。それがあって彼女は私たちを信頼してくれました。今彼女は確かに、私たちが信頼できる家族であり、ここがリラックスできる場所だと考え始めているようです。いつの日か養子縁組に選んでくれる人たちと一緒に幸せになることを願っています。




――飼い主はパリ北部と郊外で苦しんでいる動物の世話をしているアニメゴー協会の里親ボランティアをしています。猫、犬、うさぎ、鳥…すべての動物は平等だと言います。絶えず里親を見つけるまでいろいろな動物に愛情を込めて接する素敵な女性でした。ここから旅立っていく猫さま達はきっと幸せが待っていることでしょう。

取材、文・松永学

取材、文・Manabu Matsunaga

https://ananweb.jp/column/frenchchat/459460/