MONO NO AWARE「仲間がいるだけでありがたい」 “食”にスポットを当てた5thアルバム | ananweb – マガジンハウス

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MONO NO AWAREが5枚目のアルバム『ザ・ビュッフェ』でスポットを当てたのは“食”。1曲目は同じ釜の飯を食うことを描いた「同釜(読み:おなかま)」だ。

友達同士で組んだバンドが10年も続いている、奇跡的なコミュニティ。

「アルバムのタイトルを決める場で、空港や銭湯みたいに同じ目的を持った人が集まっている偶然性が面白いっていう話になりました。それで『同じ釜の飯を食うとか』って言ったら、『おなかまってこと?』っていう話でめっちゃ盛り上がって(笑)、『同釜』ができました」(竹田綾子・Ba)

「映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のコインランドリーのように、ヒエラルキーや稼ぎ関係なくいろいろな人が集まる場所を挙げていきました。一緒にいて気まずい人たちと生きていくような状態が頭に浮かび、『ビュッフェって気まずいよね』っていう話が出てアルバムの方向性が決まりました。個の力で生きるような時代の風潮に対して辛さを感じることがあって。相対化すると自分よりすごい人は出てくるし、自分が代替可能な人間だと思っちゃう。コレクティブとして生きていく方が助かるなと思い始めたんです。30歳になり、友達同士で組んだバンドが10年も続いているのは奇跡的なコミュニティだと思いましたし、仲間がいるだけでありがたいなって」(玉置周啓・Vo/Gt)

「映画『夜明けのすべて』も、共同体において個々が抱えた歪みをどうフォローしていくかっていう話だったので、(玉置)周啓の時代に対する敏感さを感じながら曲を聴いていました」(柳澤豊・Dr)

「ビュッフェには違う人間同士の緩い連帯みたいなものがありますが、バンドも性格がバラバラなメンバーが同じ目的のために集まって、ライブがあれば同じ車で移動して、同じ釜の飯を食う。“確かなものでもあり不確かなものでもある”もので繋がっているということが今作とも通じて腑に落ちました」(竹田)

「風の向きが変わって」をはじめ、シンプルな構成の曲が増え、結果的に美しいメロディが際立ち、抜群に抜けの良いアルバムになった。

「昔は僕がイニシアチブを握っている部分が多かったんですが、前作の『行列のできる方舟』あたりからみんなとシェアする方向に変わりました。その流れでスタジオでアレンジを練るようになって、構成がシンプルになったところはあると思います」(玉置)

「スタジオ作業の延長みたいに、目の前で曲を作っていく感覚のレコーディングで楽しかったですね。これまでとは別の感動がありました」(柳澤)

「周啓が『ギターが近くにある音』と言っていて。いろいろなことをやった結果濁ってしまうことはあるけれど、シンプルに軸がある音を意識しました。やりすぎてないけれど面白さがあるバランスの曲が多いアルバムだと思います」(加藤成順・Gt)

「僕みたいな人間が陥りやすいのは、脳内世界にある理念や理想から抜け出せなくなること。でも人は理念で音楽を聴いていないということに気付いて、自分の伝えたいことを届けるためにはどういう回路を辿るべきかを考えた結果、抜け感がある作品を目指しました。自分で言うのは恥ずかしいですが、大変よくできました系のアルバムになったと思います」(玉置)

5thアルバム『ザ・ビュッフェ』。テレビ東京系『シナぷしゅ』4月つきうた「もうけもん」など全12曲収録。【初回限定BOX(CD+フォトブック等)】¥5,500 【通常盤(CD)】¥3,080(SPACE SHOWER MUSIC)

モノノアワレ 左から、柳澤豊(Dr)、竹田綾子(Ba)、玉置周啓(Vo/Gt)、加藤成順(Gt)。八丈島出身の玉置と加藤が大学で竹田、柳澤と出会い結成。2017年、1stアルバム『人生、山おり谷おり』をリリース。「アラカルトツアー」は6/7~7/15にて東京、大阪など全国11か所と台湾公演も予定。

※『anan』2024年6月12号より。写真・岩澤高雄(The VOICE) 取材、文・小松香里

(by anan編集部)

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