
取材展示会概要
展示会名:第39回フランチャイズショー2022
会 期:2022年3月2日(水)~4日(金)
会 場:東京ビッグサイト
主 催:日本経済新聞社
発達に凸凹がある方へ特性に応じたカリキュラムを提供し、社会課題を解決するソーシャルカンパニーであるデコボコベース株式会社。「発達の凸凹により生きづらさを抱える方が、社会の一員として自然に受け入れられ活躍できる社会」の実現を目指すために、何を大切にし、どのように事業を展開されてるのか。フランチャイズビジネスの詳細を伺ってみた。

ーまずは御社のフランチャイズビジネスというものをご紹介ください。
「凸凹が生きる社会を作る」というビジョンのもと活動させていただいております。この「凸凹」というのが「発達障害者」を意味しておりまして、「発達障害者のかたが活躍できる社会を創造していこうよ」というのがこのビジョンに込められた思いです。
具体的にどんな事業かというと、大きく分野で分けると三つでございます。
まず1つ目は、最初のスタートの事業でもある放課後等デイサービス。小中高の発達に課題のあるお子さんに対して療育サービスを提供する放課後等デイサービス事業の「ハッピーテラス」。
小学校学齢期前のお子さんに対しての治療的教育を提供する、児童発達支援事業の「ハッピーテラスキッズ」。
18歳以上64歳以下の障害を持たれている方の就職を支援する、就労移行支援事業の「ディーキャリア」。
この3つを事業展開しておりまして、いま、日本全国で22年3月1日現在で204拠点を展開しております。このうちの事業所の直営店の割合が17拠点、それ以外はフランチャイズ加盟企業様、我々はパートナー企業様という風にお呼びしておりますが、そちらの方がご加盟いただいております。
全ての事業が厚生労働省の許認可制の事業でございまして、公費、いわゆる税金を取り扱う事業になっているというのが特徴でございます。
ーということは、収益は基本的には国からですか?
はい、社会保障費ですね。事業によってそれぞれ違いますが、一人のかたが1回通所するとおいくら、という形で通所料が発生します。それは全て利用者さんが負担するのではなく、9割が行政側の負担、1割が自己負担というような仕組みになってます。
ー「世の中のためになる」というところもありつつ、国との連携をしっかり図っているのですね。
そうですね。なぜ地域のパートナー企業様が多いかというと、障害福祉サービスというものは、その事業所だけが良いサービスを提供しても本当の良いサービスが提供できない。何故ならば、色々なところと連携して初めて利用者さんにとって良いサービスができる。
例えば行政・学校・医療機関と連携して、初めてその利用者さんにとって良いサービスが提供出来るので、我々の直営のような人間がいきなり北海道に行って事業所を立ち上げるよりも、その土地に住んでいたり思いがある方にやって頂いたほうがうまくいく。要は、地域に根付いていかないといけない事業だからです。
ー地元に還元したいみたいな、そういう企業さんがやっても大丈夫なんですね。
はい。いま150ぐらいの企業様にご参画いただいてますが、地元の名士さんと言われる方が多いです。それは地域を良くしたいという方が多いのも事実ですし、もう一つ特徴的なのは、ご参加いただいた企業経営者さんの約3割ぐらいのかたは、ご自身のお子さん・お孫さん・ご家族が発達障害とか、別の障害お持ちだという当事者やご家族の方が多いのも事実ですね。
ー自分たちの運営をしながら気持ちも分かるし、ということですね。
そうですね。こういった当事者のご関係者様ですので、やはりこの障害福祉事業に関しては並々ならぬ思いを持たれている。当然、事業として利益を出していかなければ継続はできないけれど、この世の中にとっても自分達にとっても必要な事業なんだっていう、しっかりとした思いを持たれている方が多いのも事実です。

ーイニシャルコストはどのくらいになるのでしょうか?
イニシャルでいうとそれぞれ違うんですが、加盟金は300万円です。大人の事業になりますと、加盟金の300万円も含んで物件取得費や内装工事を含めて約1,250万円ぐらい。そして最初からスタッフを5.2名用意しなきゃいけない。そうしないと指定が下りないんですね。
なので、利用者さん0売上0なんですけど、人件費と家賃は全部発生しているというところからスタートしていきますので、黒時間になるまでの運転資金が800万円から1,300万円ぐらい必要になります。
ですので、総初期投資額としては2,000~2,500万円の投資で、2年から3年かけて回収していくというビジネスモデルになります。事業的にいうと、売上もしっかりと利益とれまして、立ち上がれば営業利益率は40%になってます。
ー先ほど始めるパターンは法人の方がすごく多いとおっしゃってましたが、個人の方は参入しにくいのでしょうか?
個人の方はいまお断りしてます。個人が悪いとかではないのですが、やはり社会的インフラ事業なので、もし「収益が立たないと継続していけない」ということだと、利用者さんや地域にご迷惑がかかってしまう。なのでしっかりとしたご本業をお持ちで、資金余力がある程度あって、それで「この地域でこういった事業に携わっていきたい」という方にやって頂いたほうが、行政としても長くやっていただきたいので。そういう意味で個人の方はご遠慮というか、お断りさせていただいているという状況です。
ー今は204拠点展開とありますけれども、これは今も伸びているということですね。
ありがたいことに毎年30軒から40軒ほどの事業所が増えているというのが実情です。ですので、あと2年以内に300拠点というところを目指して、地域のパートナー企業様と共に歩んでいる状態でございます。
ーほかにも同業者さんがあると思うのですが、同じような業態であれば、例えばその5.2名の従業員の雇用にもサポートが充実してますとか、何か差別化できるポイントはありますか?
加盟企業様においてはサポートというのは当然ですね。人材育成とかeラーニングシステム、ズームを使った研修とかリアルの研修というのもあり、少なくとも毎週何かしらの研修が行なわれています。それはなぜかというと、すべてが人ありきのビジネスですので、その人材育成とか専門性を高めるとか、そういった人材教育にはかなり力を入れているというのが、フランチャイズに加盟するメリットだと。
あとは拠点数も増えてまいりましたので、ハッピーテラス、ディーキャリアそれぞれブランド力が付いておりますので、「やっぱり発達障害の就労移行支援だったらディーキャリアだよね」というような、地域では初めてですけれども、日本全国の実績というものを語りながらアピールしていけるっていうのがフランチャイズの強みかなと。
ビジネスモデル的にいうならば、対象者が「発達障害のかたが中心となっている」というところが差別化ポイントです。新規開所した場合、「あなたの事業所ってどんな事業所ですか?」というと、「われわれは発達障害の方を中心としています」と一言お伝えすることで、もうすでに差別化が図られているというのが、大きなポイントになっているのかなと考えています。
デコボコべース株式会社
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