特集 フランチャイズビジネス 第39回フランチャイズショー2022 |株式会社VANSAN

取材展示会概要
展示会名:第39回フランチャイズショー2022
会 期:2022年3月2日(水)~4日(金)
会 場:東京ビッグサイト
主 催:日本経済新聞社

コロナ禍で飲食業界が苦戦を強いられた2021年に20店舗を拡大した飲食店がある。カジュアルイタリアンレストランである「VANSAN」だ。数多くのメディアからも取り上げられる同社には、この情勢下でも勢いを伸ばし続ける秘密があるのだろう。株式会社VANSANのFC開発マネージャー石井氏に詳しい話を聞いてみた。

ー御社がフランチャイズ展開しているビジネスを初めて知る方に向けてどのようなお店なのかをご紹介いただけますか?

簡潔に言うと、カジュアルイタリアンレストランのチェーン展開をしております。イタリアンってすごくそのくくりが難しく、サイゼリヤさんのようなファミリーレストランさんがあり、一方で恵比寿とか代官山にあるようなオーナーシェフがやっているような格式高いようなお店がありますが、その中間層のお店がないので、私たちはその中間にあたるイタリアンレストランを展開しています。2020年の10月にロードサイド型で初出店したのですが、その駐車場並列型のロードサイド店舗が非常に好調でしたので、いま全国に展開をしております。

株式会社VANSAN FC開発マネージャーの石井氏

ー飲食店ではイニシャルコストが3,000万くらいが多いと思いますが、御社はどれくらいになりますか?

物件取得費を含めると平均で5,000万くらいですね。すでに物件をお持ちの方なら抑えることが出来ますが、居抜き物件は内装や厨房骨格がどうなっているのかが10件あると10件とも中身が異なるので、実際にどれくらい費用が必要なのかは全て調査しないとわからないです。現在加盟されている方は全て法人さんですね。個人さんでは資金の調達が難しいかなと思います。

ー現在の店舗数と今後の目標数を教えてください

今現在で言うと59店舗ありまして、今月あと5店舗出店が確定しているので、それが全部出ると今月末では64店舗になります(2022年3月2日現在)。目標は2024年度内に137店舗なんですが、今のペースでいけたら確実に上振れします。

ーコロナ禍とは思えない勢いでの展開ですね。

そうですね。とはいえ、コロナの打撃は受けましたので2019年対比での最高売上を維持できなくなっています。ですので、売上が戻らずとも利益はしっかり残そうと一気にDX化を進めました。

具体的にはスマートフォンで注文できるQRコードを発行することで、ソーシャルディスタンスを保つと同時に、注文を取りに行く頻度をなくして人件費の圧縮をしています。
他にも、飲食店って営業中でも予約やちょっとした問い合わせの電話がすごくかかってくるのですが、自動応答システムを導入しまして、基本的には音声で対応をしてもらっています。これで電話にとられる時間が一切なくなりました。配膳ロボも導入していまして、人の手じゃなくてもいいところはどんどんオートマチックにしています。

ーそれはすごいですね。ではオーナーさんは御社に加盟するとDXで整備された状況で事業を始められるということですね。

はい、月々のランニングコストは1万円~2万円くらいで全てのシステムが使えます。効果としては2019年まで店舗人件費とDXを導入してからの店舗人件費を比較すると、導入後は2.5%も下がっているんです。これがそのまま利益に直結するので非常に効率的ですよね。ただ、お客様とスタッフのコミュニケーションが減っても、印象に残ってもらうサービスは絶対に必要なので、人がするべきところは人がして、お客様の体験価値は下げないようにしようという取り組みをしています。

ー2.5%はすごいですね。まさにDXだなと感じます。この情勢なので飲食での開業は厳しいと考えている方も多いかと思いますが、御社の取り組みを聞いていると、その不安も払拭できそうですね。
お客様目線で他店との差別化ができているところはありますか?

昼と夜でガラッとお店の雰囲気が変わるところですね。ランチではパスタセットやピザセットなどカジュアルなランチメニューを提供しているのですが、夜は前菜からお肉料理、アヒージョとかのおつまみがあり、パスタやピザをみんなでシェアして食べるみたいな使い方をしていただけます。

あとは、全店の店内にキッズスペースを設けていて、お子様連れのママさんで来やすいお店になっています。子育てママを応援したいという気持ちが私たちの会社にはあるので、お子様連れは本当にウェルカムです。やっぱり子連れだとイタリアンが食べたくても、周囲に気を使って遠慮しちゃうんですが、VANSANはキッズスペースを設けているので、子どもが騒いでいて当たり前のお店なので、他のお客様も受け入れてくれます。

ーなるほど、それは子育て世代には嬉しいですね。店舗の展開エリアは全国に広がっているんですか?

そうですね。北は北海道、南は福岡まで展開しています。ただ、一部上場企業さんの物流を間借りしているので、沖縄でも都内の店舗と同じ配送価格で食材を運べます。

ー素晴らしい企業努力ですね。これだけシステムがしっかりしているとコロナ禍でも心強いでしょうね。

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