「合格ラインに30点足りなくても…」 東京医大「不正入試」事件、東京地裁の「推認判決」の中身

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東京医大「不正入試」事件において、唯一の物的証拠が4被告のうち3人(文部科学省科学技術・学術政策局長《役職は当時、以下同》の佐野太被告、東京医科大学理事長の臼井正彦被告、両被告と親しいコンサルティング会社役員の谷口浩司被告)が同席した会食の隠し撮り音声データだった。

だが、のちに「第2次醍醐会食」と呼ばれるこの会食の音声データをどう分析しても有罪にまで持ち込むのは難しかった。そこで贈賄側とされた東京医大理事長と学長から強引に自白を取り、検察に都合のいい調書を作成。それでも足りない部分は、裁判所が検察側が有利になるように「推認」してくれる。特捜検察が手掛けた事件がほぼ100%有罪になるからくりを暴く、連載第4回。
『東京医大「不正入試」事件』(4)後編