輝きを放つ企業の特長などをインタビューで掘り下げ、普段なかなか聞くことのできない企業のもつコアな部分をお届けするBIZALOTオリジナル企画特集記事。
今回は、現在全国に87店舗を展開するメンズ脱毛専門店『RINX』の専務であり、かつ北海道札幌店・札幌駅北口店・青森駅前店・愛媛松山店・徳島駅前店・自由が丘目黒店・福島郡山店・島根松江店・大阪江坂店の9店舗を統括管理する村田雅敏さんにインタビュー。
長きにわたりRINXを支える村田さんに、経営者目線のお話を伺いました。

自分の人生を自分が主人公として生きていきたい!

――まずは村田さんがRINX入社されたきっかけを教えてください。
村田雅敏さん(以下村田):はい。私はRINXの創業者と、学生時代にとあるきっかけで知り合いました。友人として仲良くさせていただいており、「卒業したらRINXで働くのはどう?」と声をかけていただいていたのです。
しかし私は新卒で大手デベロッパーに就職。知らない人の家を訪問し、お客様の所有する土地に「マンションを建てませんか」と営業をかける仕事をしていました。大きなお金が動くことですので、当然ですが、そう簡単には成果にはつながりません。先の見えないトンネルを走っている…そんなモヤモヤとする毎日を過ごしていたのです。
そんな時に見たのが、RINX創業者のFacebook。そこには「〇〇店新規OPEN!」「〇〇店移転リニューアル!」などという投稿がアップされていて、なんだか自分の人生を自分が主人公として生きているように見えたのです。対して私は1万人の社員の中の一人。前職の仕事内容に不満があるわけではなかったのですが、どっちの人生がいいかと考えた時に、「自分が主人公になりたい」と感じ、創業者に連絡をしました。
――そうしてRINXに入社されたのですね。まったく畑違いの職種ですが、戸惑いや不安はなかったのですか。
村田:あまりありませんでしたね。当時RINXはまだ6~7店舗でしたが、今後全国展開していくという話を聞き、不安より夢のほうが大きかったです。また前職はプッシュ型の営業、つまり自分から営業をかけにいくのに対し、RINXはプル型、お客様から来てくださる。「こんなに働きやすい環境があるんだ」と驚きました。
――なるほど。村田さんご自身は、脱毛のご経験はあったのですか。
村田:いいえ。私はムダ毛があまり生えない体質で、毛に対する悩みはありませんでした。ただ実は大学時代、仲いい女子に「ブツブツくん」と言われるほどニキビがひどかったんです。少ないながらもわずかに生えたヒゲをカミソリで剃ると、また肌を傷つけさらに荒れてしまう。そんな悪循環だったのですが、私のニキビ悩みが脱毛で解決するとは思ってもいませんでした。
脱毛を希望される方は、毛の悩みがある人ばかりではありません。私のように肌の悩みを抱えた方や、ひげ剃りの時間や労力を減らしたいという人もたくさんいらっしゃいます。QOL、つまり生活の質を向上したいという人も非常に多いです。
われわれがお客様に接するうえで大切にしていることは「共通の理想を持つこと」。お客様・自分・会社、それぞれの理想を絆とする三方良しの実現が、未来につながるという経営理念のもと、お客様もRINXも双方が喜ぶ理想を考えて接客しています。
地元に溶け込みRINXファンを獲得

――村田さんは現在、「北海道札幌店」「札幌駅北口店」「青森駅前店」「愛媛松山店」「徳島駅前店」「自由が丘目黒店」「福島郡山店」「島根松江店」「大阪江坂店」の9店舗の統括管理をされていると伺いました。本当に日本全国さまざまなエリアに出店されていますね。
村田:はい。最初に統括管理した店舗は北海道札幌店です。私は兵庫県出身なので、北海道は縁もゆかりもない土地。もちろん知り合いもいませんでしたし、当時はまだメンズ脱毛の認知度も高くありませんでしたので、正直、当時は不安も大きかったです。しかし有難いことに初月からたくさんのお問い合わせをいただき、すぐに不安は自信に変わりました。
――それにしても、なぜ北海道からスタートしたのですか。
村田:かっこいい言葉で言うと「困っているお客様がいるから」ですね。私は出店する地域にはこだわっていません。北海道からスタートし、その後、青森や愛媛など店舗を増やしていきましたが、ほとんど私自身が一度も訪れたことのない土地です。
――知らない土地で、どのように軌道に乗せたのですか。
村田:どの土地でも「地元に溶け込む」ことを大切にしました。個人サロンの強みは、地元の友達の紹介や口コミなどで広げてもらえることだと思います。一方で大手サロンは看板やチラシ、CMなどを活用したマーケティングを行うことが一般的です。私たちRINXはメンズ脱毛業界の大手ですが、個人サロンのように地域に溶け込むよう努めました。例えば、飲み屋さんなどを訪れお客さんと仲良くなり、そして各地域にいるキーマンのような人とつながる。すると地方は街の規模が小さいので、評判が評判を呼ぶようになり集客につながりました。

――そうやって各地でRINXのファンを増やしていったのですね。
村田:そうですね。今後は海外にもその輪を広げていけたら…と個人的には考えています。RINXを日本一のメンズ脱毛企業にし、日本だけでなく国際的な社会貢献を目指していきたいですね。
――そのためにも、やはり人材育成というのは大切ですよね。
村田:そうですね。だんだんと会社の規模が大きくなるにつれ、人を雇用することに責任を重く感じていますし、その感情無くして人を雇うことはできないほど、大切なことだと思います。社員を大事にすることで、社員はお客様を大事にしてくれる。ありきたりな言い方ですが、従業員を家族のように思いながら雇用しています。
――これまで私も多くの経営者の方にお話を伺ってきましたが、皆さん口を揃えておっしゃるのが「採用の難しさ」です。村田さんはいかがですか。
村田:そうですね、非常に難しいですね。私が採用する際に基準にしていることは、少し漠然としているのですが「幸せになってほしいと思う人」です。それは人として好きかどうかということなのかもしれません。
また社員が入社する際には「うちを踏み台にしてステップアップしなければ、うちに入る意味がない」と伝えています。独立したり幹部になったりと、みんな上を目指してくれる。退職ではなく卒業です。結果的に、みんな長く頑張ってくれています。

――ステップアップして卒業…ですか。それって会社としては痛手でもありますよね。
村田:そうですね。とても困りますが、非常に嬉しいことです。社員にも自分が自分の人生の主人公になり、輝いてほしいですね。
――なるほど。ところで村田さんはオフの日はどんなことをされているのですか。
村田:1歳になったばかりの娘がいるので、今はもっぱら家族サービスですね。以前は子どもがいる家庭の状況が理解できませんでしたが、やっと私も子どものことや家庭のことを理解できるようになったと思います。自分の考え方も大きく変わりました。既婚者や子どもを持つスタッフも増えているので、今後はもっと働きやすい環境をつくってあげたいですね。
――ご自身のライフステージが変わったことで、より経営者としての感覚が進化しているのですね。
村田:そうでありたいですね。立場が上がれば上がるほど、周りへの感謝を感じるようになりました。従業員にも同じようにステップアップすればするほど感謝を感じるようになってほしいと願っています。RINXはメンズ脱毛業界を牽引するリーディングカンパニーです。その中でも模範となるような存在になれたら、嬉しいですね。
――村田さんがスタッフを大切にすることで、スタッフのみなさんはよりお客様を大切にする。するとお客様の満足度は高くなり、必然的にRINXに多くのお客様がやってくる。そんな村田さんのつくり出す好循環が、みんなを幸せにしているのですね。今日は貴重なお話をどうもありがとうございました。
