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キャリアアップ助成金(正社員化コース)とは?支給額や手続きなど解説

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キャリアアップ助成金(正社員化コース)とは?支給額や手続きなど解説

「キャリアアップ助成金」(正社員化コース)とは、6か月以上雇用実績のある非正規雇用労働者(有期契約労働者、派遣労働者、パートなど)を、正社員にした事業主に対して支払われる助成金です。

支給額は、一人当たり最大72万円。申請は20人までできるので、なんと年間最大1,440万円受給可能なんです。

計画通りに実行し、必要書類を揃えれば確実に受給される助成金です。提出する書類は多いですが、帳簿などを日頃から揃えている会社なら、それほど難しいことではありません。

優秀な人材を確保したいと考えている事業主にとって、助成金を受給し採用コストや教育コストなどに充てることができるのは大きなメリットですよね。また、該当する「非正規雇用労働者」も、キャリアアップを図ることのできる良い機会となり、まさにWin-Win!

ここからは助成内容や申請方法、注意点などをわかりやすく解説します。

【受給資格】どんな事業主が受給できるのか?

キャリアアップ助成金が受給できる事業主は次のとおり。 雇用保険に加入していることが一番重要です。逆に言えば、雇用保険に加入している事業主ならば受給資格があります。

【1】雇用保険に加入している事業主

一番大切なことは、雇用保険に加入していることです。社会保険の加入は不要です。

【2】事業所ごとに「キャリアアップ管理者」を配置している

「キャリアアップ管理者」とは、キャリアアップの取り組みの責任者です。事業所内の知識と経験のある人を選出してください。

事業主や取締役でもOKですが、複数の事業所で同一人物が兼任することはできません。

【3】事業所ごとに「キャリアアップ計画」を作成し”管轄労働局庁”の認定を受けている

「キャリアアップ計画」は、キャリアアップに向けた目標や期間、事業主が行う内容などを計画的に進めるための計画書です。「キャリアアップ計画」を作成して労働局(ハローワーク)に提出して認定を受けます。

キャリアアップ計画書を作成するのが難しい…と、まことしやかに囁かれていますが、そんなことはありません。記入する用紙はたったの3枚

【4】労働条件、勤務状況、賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備している

就業規則等の必要書類の準備や管理がキャリアアップ助成金受給の一番の難点かもしれません。逆に言えば、必要書類をしっかり準備し管理しておけば、確実に受給できます。

【5】キャリアアップ計画期間内に正社員転換(無期転換)

キャリアアップ計画書の有効期限は5年間です。この間に非正規雇用労働者を正社員に転換しましょう。

キャリアアップ助成金の受給資格で一番のポイントは、雇用保険に加入していること!それ以外は申請を決めてからでも準備できます。

【受給の流れ】キャリアアップ助成金は入金まで時間がかかることを覚えておこう!

ここからはキャリアアップ助成金受給までの流れを紹介します。

【1】対象労働者を6か月以上雇用する

キャリアアップ助成金の対象労働者は、6か月以上雇用されていた非正規雇用労働者です。(派遣労働者は派遣元で6か月以上雇用されていること)

雇用期間が6か月に満たない場合は申請できません。

【2】キャリアアップ計画を作成し提出する

「キャリアアップ計画」とは、該当する非正規雇用労働者のキャリアアップに向けた取り組み(目標、期間、事業主が行う内容など)を計画的に進めるための書類です。

厚生労働省のHP(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000118801_00003.html)から申請様式をダウンロードし、必要事項を記入します。

キャリアアップ計画は、あくまでも予定を記載するものなので、実施後に変更することも可能。その場合は「キャリアアップ計画変更届」を提出しなければなりません。

キャリアアップ計画を作成したら、対象の非正規雇用労働者の転換・直接雇用を実施する前日までに、労働局もしくはハローワークに提出します。

【3】就業規則等の改定

非正規雇用労働者を正社員へ転換する規定がない場合は、就業規則の改定や新規規定をします。

改訂後の就業規則は労働基準監督署への届出が必要です。ただし10人未満の事業所の場合、労働組合代表者の署名や押印による申立書でも認められます。

【4】就業規則等に基づく正社員等へ転換

非正規雇用労働者を正社員へ転換するにあたり、就業規則などに基づいて試験など行うことができます。

正社員へ転換後は、雇用契約書や労働条件通知書を対象者へ必ず交付してください。交付書類には、正社員転換後の就業規則や労働条件などを明記しなければなりません。

【5】転換後6か月の賃金支払い

非正規雇用労働者から正社員へ転換後、6か月の賃金を支給します。

支給金額は、正社員転換前6か月よりも転換後6か月のほうが3%以上昇給していること(基本給および定額で支給されている諸手当を含む賃金の総額。賞与は含めない)が条件です。

【6】支給申請

非正規雇用労働者から正社員へ転換後、6か月分の賃金を支給したら2か月以内に労働局へ支給申請をします。

【7】審査通過後に支給

支給申請をしてから審査結果が出て支給されるまでに、半年前後の時間がかかります。つまり、雇用から受給まで1年半~2年の長い時間がかかるということです。

【注意点】不支給にならないためにも慎重に手続きを

キャリアアップ助成金を受給するために、特に気をつけたい注意点を5つ紹介します。

【1】正社員になる約束している場合は対象外

キャリアアップ助成金の正社員化コースは、非正規雇用労働者を正社員や無期雇用に転換したり、派遣社員を直接雇用に切り替えたりすることで支給されます。

既存の非正規雇用労働者だけでなく新規雇用も対象となりますが、雇用時に正社員になる約束をして有期雇用で契約した場合は対象外です。 有期雇用の場合、雇用契約で期間の終了日が明記されています。正社員の雇用契約“試用期間”は、キャリアアップ助成金の対象外ですので注意してください。

【2】書類の差し替えや訂正はできない

キャリアアップ助成金は基本的に、提出書類を基に審査が行われ助成金が支給されるかが決まります。もし書類に不備があったとしても、一度提出された書類の差し替えや訂正はできませんので、慎重に手続きを進めましょう。

ただしキャリアアップ計画は、実施後に変更することも可能。変更する場合は「キャリアアップ計画変更届」を提出しなければなりません。

提出書類がたくさんありますので、不備のないようチェックリスト(https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/_121796/_120129/_120163/_120172.html)を活用しましょう。

【3】スケジュール管理が重要

キャリアアップ助成金は申請から支給まで長い期間を要します。期限を間違えると不支給になってしまうので注意してください。

「キャリアアップ計画」は、転換・直接雇用する前日までに提出すること!

そして正社員転換後6か月賃金支給したら2か月以内に助成金の支給申請をすること!

【4】実地調査などは協力すること

場合によって支給までに事業所の実地調査が行われることもあります。この調査に非協力的な事業者に対して、助成金は支給されません。

また不正が発覚すると、助成金の返還だけでなく違約金などが課せられるなど厳しい罰則があります。正しいプロセスを踏み手続きをしてください。

【5】3親等内の親族は対象外

対象者が、事業主または取締役の3親等内の近親者でないことも受給の条件です。従兄弟(いとこ)は4親等なので対象となります。

そのほかにも細かな要件がありますので、詳しくは労働局やハローワーク、社労士などに確認してください。

【受給額】1人当たり最大72万円!1年で最大1,440万円が受給可能

キャリアアップ助成金は、1人当たり最大72万円。申請の上限は20人なので、年間最大で1,440万円受給可能な助成金です。会社として助成金は「雑収入」となり、原価ゼロの純利益。返済不要で、使用用途も事業主の自由です。

生産性要件を満たせば、助成額が増額加算されます。

「生産性」は次の計算式によって導き出されます。

文字にすると難しいですが、帳簿等を法定通りに揃えていればさほど難しい計算ではありません。生産性要件算定シートは、厚生労働省のHP (https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137393.html)からダウンロード可能です。

生産性が向上しなくても、増額こそありませんが支給はされますので安心してください。例えば有期→正規になれば、生産性が上がらなくても57万円支給!

【まとめ】キャリアアップ助成金は双方にメリット大!

キャリアアップ助成金は、生産性の向上より増額の有無はありますが、計画通りに実行すれば確実に受給される助成金です。

お金の面だけでなく、優秀な人材確保・育成ができるのも、事業主側の大きなメリット。労働者側も雇用条件が良くなりキャリアアップにつながります。

事業を成長させるためにも「キャリアアップ助成金」を、ぜひ上手に活用してくださいね。

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