スタメン公認会計士・税理士事務所 連載|銀行があなたの会社の評価をあげてくれる経営計画書とは?

スタメン公認会計士・税理士事務所の代表を務めます山田俊輔です
BIZALOTの連載企画にて、普段有料・無料のセミナーでお話している会社という組織とお金にまつわる大切なお話を記事として皆さんにお届けしています

銀行がお金を貸すがどうかを判断するために会社を格付けしていることは
前回の連載記事 銀行はあなたの会社を「格付け」して評価しています で説明しました

その時に決算書という過去の実績が非常に大きなウエートを占めることを説明しました
ただ、決算書が悪い時でも格付けを少しでもあげる手段として経営計画書の提出があります
どんな経営計画書であればあなたの会社の評価があがるのかを今回はお話しします

☑決算書+会社の実態や将来性

元々銀行は決算書を格付けソフトに打ち込んで機械的に算出された結果のみで会社を格付けしていました
統計上、機械的に会社を評価して貸すか貸さないかを決めたほうが、銀行が貸し倒れを受けるリスクが低いことが裏付けられているからです
ただ最近では、機械的な評価だけでなく、会社の実態や将来性をよく見て融資を行うようにしなさいと金融庁から求められています
過去の結果として決算書だけで会社を評価してしまうと、どうしてもベンチャー段階の会社などが評価されず
結果として本当に将来性のある会社が資金がないため伸び悩んでしまうことがあったからです

☑待っていてはダメ

そういう時代背景があって、会社の実態や将来性を格付けの判断に銀行も織り込むようになったのですが、
会社が銀行に対して何の説明努力もせずに待っていてもそれを銀行側が積極的に織り込んでくれることはありません
なぜなら銀行も人員削減などで人が全く足りていない状況ですので、何の説明もない会社の実態や将来性を自ら探りにくるような暇がないからです
会社の実態や将来性を一番知っているのは会社の社長なのですから、社長が積極的に会社をアピールしないと誰も会社のことを理解出来ません
その会社アピールに一番有効なものが経営計画書なのです

☑有効な経営計画書とは

ただしこの経営計画書ですが、単なる数字遊びで作成した数字の羅列だけの経営計画書では全くダメです
まずもって銀行の担当者は定期的に変わっていくのですから、
銀行は会社の事業内容や取り扱っている商品、歴史、理念など全く知らないという前提にしておかないといけません
なので、会社の概要を事細かく説明するところから始めます
長年銀行と取引してるのだから会社のこと知ってるだろうと思っていてはだめです
銀行員は人手が足りない中定期的に転勤してしまうので、引継が十分にされていないと思っておかないとダメです
会社概要を十分に知ってもらったうえで、会社が属している業界を知ってもらうために市場分析をし、
その市場で自社がどのように戦っていくのかの戦略をたて、
それらを納得性のある数字と行動計画文章で説明して初めて銀行に伝わる有効な経営計画書になります
本当に有効な経営計画書は200ページほどの計画書になりますが、それらを集約して数十ページで提出すればすごく親切です
そこまでやることが出来れば会社の格付けは確実にあがります

☑まとめ

今回は、銀行があなたの会社の評価をあげてくれる有効な経営計画書についてお話しました
銀行は待っていても会社のことを理解してくれませんし、積極的に会社がアピールすることが必要であることを知っておいて欲しいです
そしてそのアピール材料として経営計画書が有効で、有効な経営計画書の作成にもノウハウがあることをお伝えしました
資金調達に関しての具体的な知識やノウハウ、その実践方法はこの連載でまたお話ししていきます