群馬・前橋の風景を一新した〈白井屋ホテル〉。建築、アート、食などの多彩な魅力と、その軌跡が1冊に。

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May 7, 2023 | Culture | a wall newspaper

2020年に開業し前橋の新たな顔となった〈白井屋ホテル〉。藤本壮介の設計による建築、レアンドロ・エルリッヒなど館内に置かれたアートの数々、そして〈フロリレージュ〉オーナーシェフ監修による食の体験…と、その魅力をひもとく1冊が完成。

2棟あるうちの1棟、〈ヘリテージタワー〉ラウンジの吹き抜け空間。レアンドロ・エルリッヒの《Lighting Pipes》が設置されている。

群馬・前橋に建つ〈白井屋ホテル〉は、建築家・藤本壮介が設計を手がけ、館内にレアンドロ・エルリッヒや塩田千春などといったアーティストの作品を随所に展示した、まるで美術館のようなホテル。2020年のオープン以降、街の風景を一新させた同ホテルの初の書籍『Shiroiya Hotel Giving Anew』が、このたび刊行された。

書籍は全7章に分かれる。オーナー・田中仁の序文から始まり、1970年代の前身ホテルからいかにして現代へと蘇ったのかの解説、さらに前橋という地の歴史までひもときながら、建築、アート、食と各トピックごとに、その魅力を美しいグラフィックとともに紹介していく。藤本壮介への一問一答インタビューなど、ホテルを深く理解できるページが並ぶ。

日本語版のグリーンと英語版のベージュのペアは、緑あふれるホテルの外観も連想させる。

本書は2冊組で構成され、ベージュ地の英語版書籍に、グリーンの日本語版小冊子が付く。デザインは、デンマーク・コペンハーゲンを拠点にする世界的なデザインチーム〈All the Way to Paris〉が手がけた。

ホテルの今を記録した写真集としても、ホテルの魅力を多角的に考察した評論集としても楽しめる1冊が完成した。

『Shiroiya Hotel Giving Anew

著者:藤本壮介、橋本麻里ほか。編集:白井良邦。写真:伊藤徹也ほか。英語版264P、日本語版48P。販売:ADP。11,000円。全国の書店にて予約可能。