東京をクリエイティブな社会実験の舞台に変える〈CCBT〉のビジョンとは?

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July 31, 2023 | Design, Art | PR

アートとデジタルテクノロジーによって東京にイノベーションを起こすべく誕生した〈シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]〉。運営する東京都と東京都歴史文化財団がオーストリア・リンツ市の文化機関〈アルスエレクトロニカ〉と連携協定を締結し、同フューチャーラボの共同代表である小川秀明を〈CCBT〉クリエイティブディレクターに迎えた。東京を舞台に創造的な“社会実験”をさらに加速させていく。

2022年10月に誕生、2023年4月よりクリエイティブディレクターに新たに小川秀明を迎えた〈シビック・クリエイティブ・ベース東京〉。photo_Tada(Yukai)

〈シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]〉は、東京都と〈公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京〉が共催する創造拠点として、2022年10月〈渋谷東武ホテル〉の地下2階に誕生。「アートやデジタルテクノロジーの活用を通じて、人々の創造性を社会に発揮する」という目標を掲げ、ラボやスタジオを備え、作品展示やワークショップ、クリエイターのインキュベーションを主な活動としている。

またこの4月にはクリエイティブディレクターに、オーストリア・リンツ市を拠点とする文化機関〈アルスエレクトロニカ〉のフューチャーラボ共同代表を務める小川秀明が就任。〈アルスエレクトロニカ〉はリンツ市が100%保有する公社で、水道局と同じ公共機関に位置付けられており、「蛇口を捻ると水が出てくる水道に対して、蛇口を捻ると未来が出てくる」ような取り組みを市民に提供する。小川はそうした〈アルスエレクトロニカ〉における知見を活かすとともに、都市としての課題も多くあるこの東京都を「未来の実験区」と捉えて、最先端の技術を新たに、創造的に市民に届けるビジョンを描く。

小川秀明 おがわ・ひであき 〈CCBT〉クリエイティブディレクター、〈アルスエレクトロニカ〉フューチャーラボ共同代表。2007年からオーストリア・リンツ市を拠点に活動、〈アルスエレクトロニカ〉にてアーティスト、キュレーター、リサーチャーとして活躍、現在は同機関の研究開発部門の共同代表に。photo_Nacása & Partners

現在、多くの企業や自治体で唱えられている「DX」(デジタル・トランスフォーメーション)になぞらえて、小川はこの東京を「CX」(クリエイティブ・トランスフォーメーション)していきたいと語る。最先端のデジタルテクノロジーやクリエイティブを、未来を思考するためのリテラシーとして、社会に実装していく……その先駆となる熱意あるクリエイターからのプログラムへのエントリーや、市民の多くの参加を求めている。

2022年度〈CCBT〉アーティスト・フェロー「浅見和彦+ゴッドスコーピオン+吉田山」による、XR(クロスリアリティ)技術を用いた都市型展覧会『AUGMENTED SITUATION D』。photo_Tada(Yukai)

また〈CCBT〉のパートナーとなる2023年度のフェロー5組が、〈TMPR(岩沢兄弟+堀川淳一郎+美山有+中田一会)〉〈Synflux〉〈contact Gonzo〉〈SnoezeLab.〉〈ELECTRONICOS FANTASTICOS!〉に決定。「AI等のテクノロジーを応用した新しいアート表現の開発」「障害の有無に関わらずみんなで楽しめるプロジェクトの構築」など現在の課題を踏まえた、クリエイティブなアプローチが期待される。

〈シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]〉

東京都渋谷区宇田川町3-1 渋谷東武ホテル地下2階 TEL 03 5458 2700。13時〜19時。月曜休(祝日の場合は開館、翌平日休館)、年末年始休。岩井俊雄ディレクション「メディアアート・スタディーズ 2023 :眼と遊ぶ」開催中〜8月20日。入場無料。