2人のミシュランシェフがタッグを組んだ、みなとみらいの “中東イタリアン”レストラン。

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November 6, 2023 | Food, Culture | casabrutus.com

日本ではまだまだ認知度が低いけれど、欧米では大人気の中東料理。それに注目した人気シェフ2人による、新ジャンル“中東イタリアン”の店〈Trattoria Tabulé(トラットリア・タブレ)〉がオープン!

イタリアンと中東料理が見事に融合した〈トラットリア・タブレ〉の料理の数々。中東テイストなお皿もかわいい。

〈ラ・ブリアンツァ〉をはじめミシュラン掲載店を何軒も牽引する奥野義幸シェフ。そして、ニューヨークミシュランで12年間連続三つ星を獲得している〈ジャン・ジョルジュ〉で日本人初の副料理長を務めたのち〈ジャン・ジョルジュ東京〉の総料理長を経て、現在は〈No Code〉のオーナーシェフである米澤文雄シェフ。〈トラットリア・タブレ〉は、この二人が生み出した、“中東イタリアン”というまったく新しいジャンルのレストランだ。

国際的に活躍し、食のアンテナを世界中に張っている2人のシェフは、中東料理が今、欧米の美食家たちの間で大きなトレンドであることに注目。ハーブやスパイスをふんだんに使い重層的な味に仕上げる中東料理のエッセンスと、日本人に馴染み深いイタリアンを融合させ、ここにしかない“中東イタリアン”を生み出した。

シグネチャータブレ ヨーグルトのソース1200円。店名にもなっているシグネチャーディッシュ。ブルグル(小麦の挽き割り)、キヌア、パセリと季節の野菜や果物を和え、水切りヨーグルトを添えて。

店名にもなっているタブレは、イスラエル発祥のサラダ。中東のどこでも食べられる家庭料理であり、最もポピュラーな料理のひとつだ。中東を代表する料理を店名にしたことからも、二人のシェフの料理にかける熱い思いが伝わる。

タブレの主役はたっぷりと使われる刻みパセリ。これに、刻んだトマト、きゅうり、ミント、赤玉ねぎ、りんごなどが加わり、オリーブオイルとスパイス、レモン果汁でマリネする。中東では、ブルグル以外にクスクスなども入れることが多いが、〈トラットリア・タブレ〉ではキヌアを使い、より軽やかでヘルシーに。口に入れた瞬間にフレッシュハーブの爽やかな香りが広がり、後から水切りヨーグルトのコクが追いかけてくる。きゅうりの食感やりんごの甘みもアクセントになり、いくらでも食べられる美味しさだ。

エルダーフラワーのモヒート(モクテル)700円。フルーティな香りのエルダーフラワーのシロップをミントとソーダで割った、さっぱりとして清涼感のあるノンアルコールカクテル。

イタリアン・ワインを中心に、手頃な価格のワインが揃っている〈トラットリア・タブレ〉。ワイン以外にも、中東イタリアンのスパイスやハーブに合うオリジナルカクテルやノンアルコール・カクテルも充実している。今後ブランチメニューも展開していく予定だそうで、週末には美味しい中東イタリアンとドリンクをゆっくりと味わう時間が楽しめそう。

高い天井と、グリーンコートに面した大きな窓が気持ち良い店内。

〈トラットリア・タブレ〉は、横浜みなとみらいエリアに誕生した新商業施設〈LIVING TOWNみなとみらい〉に開業。インダストリアルなテイストがありつつも、すっきりとして洗練された店内は開放的な雰囲気。レストランの目の前にはグリーンコートが広がる。将来的に、ここでマルシェをはじめとした食のイベントがいろいろできそうなのもここに出店した理由の一つだという。自然光たっぷりのランチタイム、しっとりとした照明に落ち着けるディナータイムと、目的に応じて使い分けられる。

クミン、コリアンダー、カルダモンなど多くのスパイスを使う中東料理の特徴を活かしつつ、イタリアンと上手く融合させる手腕はさすが。どの料理も初体験の味ながら、すっと馴染む美味しさに仕上げているのは、奥野シェフと米澤シェフの実力があってこそ。新しくてエキサイティングな味覚をぜひ体験して
みて。

〈トラットリア・タブレ〉

神奈川県横浜市西区みなとみらい4-2-1 LIVING TOWNみなとみらい1F TEL 045 307 6330。12時〜15時(14時LO)、17時30分〜22時30分(フード21時LO、ドリンク21時30分LO)。水曜休。