X 最後の強み、リアルタイムな「実況」要素を代替できるプラットフォームは?

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記事のポイント

  • Xはスポーツ関連のイベント中におけるリアルタイムな会話の量が他を圧倒しており、セカンドスクリーンのトップに立っている。
  • TikTokがXに対抗しようとし、広告主に対して割引などのインセンティブを提供している。しかし、TikTokはコンテンツの創造においてより難易度が高く、リアルタイムな会話に追従することが難しいとの声も。
  • スポーツ視聴におけるセカンドスクリーンは単一のプラットフォームだけでない。複数のプラットフォームに分散して広告主は広告を投資すべきという指摘もある。

最近のごたごたやブランドセーフティの懸念があるとはいえ、Xは今年2024年もまた、スーパーボウルのセカンドスクリーンの王様になることが予想される。

Xが今年、マーケター勢のスーパーボウルキャンペーンの中心になる、というわけではない。ただ、セカンドスクリーンの王位を奪うライバルは依然として現れていないのだ。エージェンシー幹部らは実際、スーパーボウル中、どこでオンラインになっているかに関わらず潜在的買物客に確実にリーチするべく、アプローチを多様化し、複数のプラットフォームを股にかけるよう、クライアントらを促している。

「Xはいまだセカンドスクリーンのトップの座にある。理由は単純に、ライブイベント中のリアルタイムな会話の規模では、他の追随を許さないことにある。スポーツにおいては、特にそうだ」と、広告エージェンシーであるワークインプログレス(WorkInProgress)の共同創業者でチーフクリエイティブオフィサーのマット・タルボット氏は話す。「とはいえ、Xには不安感があり、リスクを伴うため、ブランドが以前のように精力的な活動をするのは難しくなっている」。

スーパーボウルに関して言えば、Xはいまだ健在

Xはこれまで、スーパーボウルといったライブイベント中、リアルタイムの会話に加わり、マーケティングメッセージを拡散させるためにマーケターが向かうべきソーシャルメディアプラットフォームの絶対的存在だった。おそらくはその最たる例が、2013年、サンフランシスコ・フォーティナイナーズとボルティモア・レイブンズが対戦したスーパーボウルで起きた停電中、オレオ(Oreo)が投稿したツイート「You can still dunk in the dark(暗がりのなかでも、オレオは牛乳のなかに浸せる、の意)」だろう。

以来、Xは同分野のリーダーとなり、Threads(スレッズ)といったライバルらの挑戦を受けるとともに、ブランドセーフティに関する新たな諸問題に見舞われてきた。2023年末、Xは第三者の監査を受けないと断言した。それはつまり、Xがブランドセーフティに問題はないと言う以上、たとえその主張を第三者が立証できなくとも、マーケター勢はXを信用するしかない、ということだった。

結果、セーフティ懸念のせいで、多くのブランドおよび広告主はメディア支出とオーガニックプレゼンスのいずれにおいても、Xから逃げ出すことを余儀なくされた。ただし、多くのプラットフォームが成長、あるいは乱立してきたにもかかわらず、新たなデジタル版タイムズスクエアはいまだ出現せず、(マーケター勢がX以外の選択肢に乗り気でなかった理由については、こちらを参照)、少なくともスーパーボウルに関して言えば、Xはいまだ健在だ。

「スポーツは、なかでもNFLはとりわけ、XがThreadsやインスタグラム、TikTokといったライバルの攻撃にびくともしないでいられる、残り少ないバーティカルのひとつと言える」と、広告エージェンシーVMLのチーフソーシャルオフィサー、リズ・コール氏は話す。「アメリカンフットボールについては、生の会話がXで行なわれている感がいまだ強い」。

アメリカンフットボールファンがXを離れない明確な理由は不明だが、マーケティング専門家らは「スーパーボウル関連活動のセカンドスクリーンとしてXを使うユーザー層は、Xにおける諸々にあまり関心がないのではないか」と推察していると、マーケティングエージェンシーであるラッカス(Ruckus)のグロース部門VPマイカ・フリードマン氏は話す。

対抗馬はTikTok?

Xは2023年、多くのマーケターの気を引き、広告費獲得競争で勝利するべく、25万ドル(約3700万円)の無料広告スペースを提供した。ただ、今年は様相が異なる模様で、今回DIGIDAYが取材したエージェンシー6社はいずれも、今年のスーパーボウルを前にして、そうした値引きに関する連絡は受けていないと語った。ウォール・ストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)によれば、2023年、Xは件のスーパーボウル広告ディール販売を2月初旬から始めている。[続きを読む]

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