アシックスが“サブ4”特化のランシューズ 社長が直々に開発を頼み込む

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 「アシックス(ASICS)」は、フルマラソンで“サブ4”(4時間切り)を目指すランナーに向けたランニングシューズ“エスフォー(S4)”(税込2万2000円)を2月23日に発売する。アシックス直営店と全国のスポーツ量販店で扱う。公式サイトでは2月16日から先行販売する。6日に行ったメディア向け説明会には、廣田康人社長と、“公務員ランナー”として世界選手権にも出場した川内優輝選手(あいおいニッセイ同和損保)らが登壇した。

 シューズの開発は、廣田社長の直々のリクエストから始まった。「皇居を走っていたとき、サブ2.5やサブ3向けのシューズはあるのに、サブ4向けがないのはおかしいと違和感を覚えた。そこで『サブ4向けシューズを作ってくれ』と開発部に頼み込み、生まれたのがこのシューズだ」。廣田社長は50歳を過ぎてランニングを始め、54歳で初のサブ4を達成したという。「サブ4は、ランナーにとって勲章のようなもの。シューズとサービスでサブ4達成をフルサポートして、より多くの人にランの楽しさを伝えたい」と語る。

 シューズは、エリートモデル“メタスピード(METASPEED)”で培ったスピードを生み出すノウハウに、安定感とクッション性をさらに加えて汎用性を高めた。推進力をもたらすカーボンプレートは、かかとで接地しても自然な足運びができるよう、つま先に向かって下がるような傾斜をつけて組み込んだ。ミッドソールは2種類の素材を使った2層構造で、上層部は“メタスピード”にも使っている軽量のクッション素材“エフエフブラストターボ(FF BLAST TURBO)”を採用。接地の際に素材が変形・圧縮し、元に戻ることで跳ね返る感覚を生み出す。下層部には最軽量の“フライトフォーム(FLYTEFOAM)”を使い、シューズ全体の軽量化を図った。アウトソールはグリップ力と耐久性に優れた素材で、前足部とかかとを幅広にして安定感を高めた。

 アッパーは、軽量で通気性に優れた“モーションラップアッパー”を使用し、シューレースは走行中のゆるみを防ぐために凹凸のある設計にした。ルックスは、イエローカラーのグラデーションが爽やかな印象で、川内選手は「ランナーにとって、シューズのデザインはモチベーションに直結する大事な要素。安定感を訴求するようなデザインではなく、スピードモデルのような疾走感がいい」とコメントした。

 シューズの発売に合わせて、サブ4達成を後押しするための独自のトレーニングプログラムを公式サイトやアプリで提供する。さらに5月には、サブ4達成を目的としたレースを東京と大阪で開催する。

 レースは、昨年8月に買収した、ランニングプラットフォーム「ランネット(RUNNET)」を運営するアールビーズとの共催だ。東京は国立競技場を、大阪は淀川を舞台とし、勾配のゆるやかなコースを選ぶ。サブ4に合わせたペースメーカーも動員し、ランナーのモチベーションアップの演出も行う。定員は東京が1800人、大阪が1200人で、2月9日に受け付け開始だ。

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