パタゴニアがロンドンにリペアセンターを開設 アパレル産業の変革と就職支援を目指す

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パタゴニア(PATAGONIA)とユナイテッド・リペア・センター(United Repair Centre、URC)とファッション・エンター(Fashion-Enter)はこのほど、ロンドン北部のハーリンゲイにURCロンドンを開設した。同センターは就職が困難な難民などの背景を持つ人々を雇用し、衣料品修理の訓練も行う。パタゴニアに加え、他ブランドも使用できるスペースを設けており、アパレル産業の変革を目指す。英国ファッション協議会(ブリティッシュ・ファッション・カウンシル、BRITISH FASHION COUNCIL)のポジティブファッション研究所と、エレン・マッカーサー財団も支援する。

URCは2022に開設したオランダ・アムステルダムに次いで2拠点目。アムステルダムでは現在、「デカトロン(DECATHLON)」「ルルレモン(LULULEMON)」「パタゴニア」などから年間約3万件の修理を請け負う。ロンドンでも25年までに年間3万件の修理体制を構築する。

URCのタミ・シュヴァイクラー(Thami Schweichler)創業者兼最高経営責任者(CEO)は「アパレル産業は、地球環境や服を作る人々に悪影響を与えているという悪い評判がある。このさまざまな生き物が息づく地球上で今後もビジネスを続けていくために、私たちは消費者がより長く服を使用し、責任ある消費を実践できるよう支援しなければならない。責任あるアパレルメーカーは、リペア・ムーブメントに加わってほしい」とコメントを発表した。

ファッション・エンターはハーリンゲイを拠点とする社会的・環境的基準を重視するアパレルメーカーで、URCロンドンは同社の既存の施設で運営する。ファッション・エンターのジェニー・ホロウェイ(Jenny Holloway)CEOは「ハーリンゲイは英国衣料品製造の拠点として長い歴史があるが、現在の安価な生産市場において、私たちは高い品質基準や倫理基準を維持することができなかった。そのため、私たちは迅速に事業を転換する必要があった。15人の雇用を守り、循環型経済に貢献できることを嬉しく思う」と述べた。

パタゴニアのアレックス・ビーズリー(Alex Beasley)=英国・アイルランド・北欧担当カントリー・マネージャーは「パタゴニアは地球を救うためにビジネスを営んでいるが、一社でできることではない。URCロンドン開設により、パタゴニアの影響力を拡大し、他の衣料品会社が使い捨てや廃棄物から脱却し、ビジネスモデルに循環性を織り込む力を与えたいと考えている」とコメントを発表した。

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