「ティファニー（TIFFANY & CO.）」は、エキシビション“「ティファニー ワンダー」技と創造の187年”を虎ノ門ヒルズ ステーションタワー45階のトウキョウ ノード（TOKYO NODE）で、6月23日まで開催している。展示総数約500点のうち、世界初公開作品が180点、日本初公開作品が約380点という大規模展となる。驚きに満ちた傑作の数々を通して、187年の歴史の中で培った職人技と創造性、日本との絆の物語を伝える。ここでは10のルームで構成したエキシビションの見どころを紹介する。
目次
- ROOM 1 : The World of Tiffany
- ROOM 2 : Wonder of Origin
- ROOM 3 : Wonder of Design
- ROOM 4 : Garden of Imagination Jean Schlumberger
- ROOM 5 : In Love with Japan
- ROOM 6 :Wonder of Dreams
- ROOM 7 : Breakfast at Tiffany’s
- ROOM 8 : Wonder of Celebration
- ROOM 9 : The Diamond Kings
- ROOM 10 : The Tiffany Diamond
- HISTORY
- INTERVIEW with Alexandre Arnault
ROOM 1 : The World of Tiffany
ROOM 2 : Wonder of Origin
ROOM 3 : Wonder of Design
2.トンボはアールヌーボー時代の重要なモチーフ
3.ルイス・コンフォート・ティファニーが「ティファニー」に参画後、初めて手掛けたジュエリーコレクションより。歴史的にも貴重な“メドゥーサ ペンダント”
ROOM 4 : Garden of Imagination Jean Schlumberger
ROOM 5 : In Love with Japan
ROOM 6 :Wonder of Dreams
ROOM 7 : Breakfast at Tiffany’s
ROOM 8 : Wonder of Celebration
ROOM 9 : The Diamond Kings
ROOM 10 : The Tiffany Diamond
6月23日まで開催中
9:00〜20:00（最終入場19:00）
虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 45階 TOKYO NODE
東京都港区虎ノ門2-6-2
不定休
HISTORY
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1972
第1号店を日本橋三越本店に
日本初となる店舗「ティファニー サロン」が東京・日本橋三越本店にオープンした。内装は、ニューヨーク五番街本店をモデルに設計した。
1974
日本の伝統文化に魅了されたエルサ・ペレッティ
1974年に「ティファニー」のデザイナーに就任したエルサ・ペレッティは、創作活動において日本から多大な影響を受けた。ペレッティは日本での旅を通して、伝統文化と職人技に強い関心を持ち、現地の職人による協力のもと、漆を用いたジュエリーを製作。“ビーン デザイン”や“オープン ハート”コレクションのアイコニックなモチーフに漆を何十層にも塗り重ね、絹のふさひもを合わせた独創的なデザインを生み出した。
1996
初の旗艦店を銀座にオープン
日本初の旗艦店となる銀座本店をオープン。アールデコ調のスチールと御影石のファサードが印象的な正面エントランスには、ニューヨーク五番街本店のシンボルである “アトラス クロック”をイメージした時計を設置した。
1999
日本初の大規模エキシビションを開催
「ティファニー展：その輝きの栄光と未来（1837-1999年）」を東京で開催。ジュエリーデザインにおける名高いブランドの歴史をたどるエキシビションには、卓越した創造性とクラフトマンシップを誇る傑作の数々を展示した。
2006-2007
日本の歴史的重要史跡の保全活動を支援
2006年、ティファニー財団とニューヨークに拠点を置くワールド・モニュメント財団は、歴史的重要史跡の保全活動支援を目的にパートナーシップを締結した。これをきっかけに、ティファニー財団は尼門跡寺院の修復保存プロジェクトに25万ドルを寄付。中宮寺表御殿や霊鑑寺奥書院など、歴史的建造物や繊細な紙本着色障壁画の修復作業に貢献した。
2008
日本の伝統文化を守る「ティファニー財団賞」を創設
公益財団法人 日本国際交流センター協力のもと、「ティファニー財団賞―日本の伝統文化の保護と現代社会―」を創設。日本の伝統芸術の保存と地域社会の活性化に貢献した組織・団体に対し、顕彰を行う活動をスタートした。
2021
ブランド史上初、eスポーツトロフィーを製作
スマホアプリ「モンスターストライク」の日本一を決める「モンストグランプリ2021ジャパン チャンピオンシップ」で、ブランド史上初となるeスポーツのチャンピオントロフィーを製作した。“モンスターストライク スタジアム”のエンブレムを着想源に、スターリングシルバーと24Kゴールドで仕上げられたトロフィーには、優勝チームの名前が刻まれた。
2022
金沢金箔の職人育成プログラムを発足
日本上陸50周年を記念し、同ブランドに影響を与え続ける日本文化や職人技をたたえるイベントを開催した。さらに、ワールド・モニュメント財団とパートナーシップを結び、ユネスコ無形文化遺産に登録された石川県金沢市の“金沢縁付金箔製造”の職人育成プログラムを発足。日本の優れた伝統工芸を次世代に継承、存続するための有効なモデルとして注目を集めた。
2023
侍ジャパンをティファニー製トロフィーで祝福
ワールドベースボールクラシック（WBC）で優勝した侍ジャパンを、「ティファニー」のチャンピオントロフィーで祝福した。2005年以来、ホローウェア工房の熟練職人が手作業で製作しており、4点星の中央を飾るボールの周りに24Kイエローゴールドをあしらったデザインは、重さ12.7kg、高さ61cm。ティファニー ブルーのボックスに収めて贈呈された。
最新コンセプトで銀座本店がリニューアル
オープンから30年近い歴史を重ねた銀座本店が、7月7日にリニューアルした。建築家の隈研吾によるダイヤモンドに着想を得たファサードはそのままに、ニューヨーク五番街本店“ザ ランドマーク”のエッセンスを随所に反映し、新たな空間に生まれ変わった。
ブランドの新章、「ティファニー表参道」が誕生
銀座本店に続き、最新デザインコンセプトを反映した新店舗として、「ティファニー表参道」が9月13日にオープンした。“ダイヤモンド キング”の異名を持つ同ブランドのジュエリーを豊富に取りそろえた“モダンラブの殿堂”として、新章の幕開けを印象付けた。
2024
エキシビション「ティファニー ワンダー」を開催
ティファニーが187年にわたり紡いできた、創造性とクラフトマンシップの軌跡を伝えるエキシビション“「ティファニー ワンダー」技と創造の187年”を虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 45階トウキョウ ノードで開催。アーカイブからよりすぐられた貴重な傑作の展示を通して、日本との絆を讃える。
INTERVIEW with Alexandre Arnault
PROFILE : 仏エコール・テレコム・パリテック卒業、エコール・ポリテクニークで修士号取得。米マッキンゼー・アンド・カンパニー戦略コンサルティングとしてキャリアをスタートし、その後、LVMHとグループアルノーに入社。デジタル分野におけるイノベーションに注力する。独老舗ラゲージブランド「リモワ」買収を提案・主導し、2017年1月リモワCEOに就任。ブランドのリポジションを成功に導く。21年1月にティファニーに入社。24年3月より現職
PROFILE : 仏エコール・テレコム・パリテック卒業、エコール・ポリテクニークで修士号取得。米マッキンゼー・アンド・カンパニー戦略コンサルティングとしてキャリアをスタートし、その後、LVMHとグループアルノーに入社。デジタル分野におけるイノベーションに注力する。独老舗ラゲージブランド「リモワ」買収を提案・主導し、2017年1月リモワCEOに就任。ブランドのリポジションを成功に導く。21年1月にティファニーに入社。24年3月より現職
私たちの現在と未来への
ビジョンを表現している”
アレクサンドル・アルノー「ティファニー」コミュニケーションズ＆インダストリアル プロダクト部門エグゼクティブ・バイス・プレジデント（以下、アルノー）：「ティファニー ワンダー」展は、「ティファニー」のささやかな始まりから、187年という過去約2世紀にわたって培ってきたクラフトマンシップ、そしてクリエイティビティーを象徴するデザインや表現の数々を皆さまにご覧いただく“旅”だ。展示総数約500点のうち世界初公開作品が180点、日本初公開作品が約380点で、素晴らしいジュエリーや作品の数々が見られる。映画「ティファニーで朝食を」の舞台裏のほか、野球やバスケットボールといったスポーツのトロフィー、われわれが有する伝説の“ザ ティファニー ダイヤモンド”など、皆さまに楽しんでいただけるコンテンツを豊富に詰め込んでいる。
WWD：「ティファニー」にとってアーカイブの価値とは？
アルノー：「ティファニー」のアーカイブは、それぞれにストーリーがある特別な作品ばかりだ。われわれのチームは、ブランドのユニークな伝統を物語る今回の素晴らしい展示作品を、何時間もかけて丁寧に選んだ。「ティファニー」ならではの驚きと感動を体験してもらいたい。今回のエキシビションのように、豊かな物語を生み出すアーカイブに私たちはこれからも注目していくつもりだ。
WWD：未公開作品にも通底している「ティファニー」の真髄とは？
アルノー：「ティファニー ワンダー」展は、私たちのアーカイブや未公開作品をただ展示するだけではなく、現在の私たちの姿と未来へのビジョンを表現している。「ティファニー」の伝統に忠実であり続けること、そして「ティファニー」のコアバリューを尊重することは、ブランドの現在をナビゲートし、未来をプランニングする上で常に重要なことだ。
WWD：歴史あるジュエラーとしての強みをどう捉え、現在の商品に生かしている？
アルノー：「ティファニー」はアメリカ最古のラグジュアリー ジュエラーであり、競合他社の中でも深い歴史があるジュエラーの一つだ。私たちには、アーカイブや豊かな遺産にインスピレーションを求め、デザインを現代的に刷新し、再解釈できるという強みがある。「ティファニー ワンダー」展では、ジャン・シュランバージェのオリジナル作品やモダンなハイジュエリーのクリエイション、初期の“ブルー ボックス”と、128.54カラットのイエローダイヤモンド“ザ ティファニー ダイヤモンド”の最新セッティングというように、アーカイブと最新のデザインの両方を紹介している。選び抜いたジュエリー一つ一つが、その“センス オブ ワンダー”を体現し、ストーリーや目的を持っている。
絆を深めてきた日本は、
今や世界第2位の市場に”
アルノー：これまで「ティファニー」に在籍してきた中で、私たちが生み出してきた製品の革新はもちろん、「フェンディ」や「パテック フィリップ」「ナイキ」「シュプリーム」などとのコラボレーション、そしてクリエイティブなキャンペーンの数々を誇りに思っている。「ティファニー」は、愛と工芸、伝統、そしてティファニー ブルーという、われわれのDNAと切っても切り離せないテーマで世の中をリードしてきた。新しいキャンペーン「With Love, Since 1837」は、最新のクリエイティブの進化を紹介するものであり、今日の私たちの顧客に向けた新しい表現でもある。
WWD：LVMHグループの傘下に入って以降、「ティファニー」が最も変革した点は？
アルノー：LVMHグループの傘下に入った2021年からこの3年間で、「ティファニー」のブランドアイデンティティーを進化させ、モダナイズしたビジョンをお客さまに伝えることで大きく前進した。ブランドの再活性化の旅に出た時、私たちは既存の顧客とのつながりを再構築すると同時に、新規客とのつながりを築くことにも重点を置いた。今後は、「ティファニー」の素晴らしい伝統やクラフトマンシップ、そして「ティファニー」のジュエリーを基点にコレクションの魅力を伝えるべく、戦略をさらに進化させていきたい。
WWD：日本との絆もエキシビションの一つのテーマだ。日本への感謝をどのように伝えている？また、「ティファニー」にとって日本市場とは？
アルノー：「ティファニー ワンダー」展では、日本の精神をたたえている。本エキシビションの開催地を決める際、関係性が強い日本を選択するのは必然だった。1972年に日本では初となる「ティファニー サロン」を東京・日本橋三越本店にオープンして以来、われわれは日本との絆を深めてきた。日本市場は現在われわれの世界第2位のマーケットに成長し、59もの店舗を出店している。建築設計事務所OMAは、ニューヨーク本店“ザ ランドマーク”リニューアルの際に最上階3フロアを設計した。今回の開催地である虎ノ門ヒルズ ステーションタワー、そして展覧会会場をデザインしたのもOMAで、共通点がある。
WWD：日本市場における今後の展望は？
アルノー：日本はこれまでも、そしてこれからも「ティファニー」にとって重要なマーケットだ。昨年リニューアルした銀座本店や新たにオープンした表参道店は、アートとクラフトマンシップ、ヘリテージが融合する場所として機能している。私たちは、日本における「ティファニー」のエキサイティングなチャプターを継続していくことを楽しみにしている。
TEXT : MAKIKO AWATA（Exhibition & History）
ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク
0120-488-712
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