スタメン公認会計士・税理士事務所 連載|節税って何?どうやるの?

スタメン公認会計士・税理士事務所の代表を務めます山田俊輔です
BIZALOTの連載企画にて、普段有料・無料のセミナーでお話している会社という組織とお金にまつわる大切なお話を記事として皆さんにお届けしています

会社経営者であれば節税に興味がない人はほとんどいないとは思いますが、
税理士に任せっきりで、節税ことを勉強している経営者は少ないと感じています
経営者が節税に詳しくて税理士と対等に話ができ、税理士と打合せして実行すると決めた節税の実行を税理士に任せるという形が理想です
すごくよい節税ができたと思っていたら、会社の財務を傷つけていただけと数年たってからわかるパターンもありますので、経営者が節税のことを少しでも知っていることは非常に大事だと思っています
今回は節税の概要をお話します

☑節税のパターン

節税とは無駄な税金を支払わないようにする対策をいいますが、節税には一定のパターンがあります
2×2の4パターンに区別できます

税金が減るのか、先延ばしにするだけなのか
の2パターン
×
節税するのに追加のお金がいるのか、いらないのか
の2パターンの組み合わせです

☑一番良い節税

一番いいのは、税金自体減ってお金がからない節税です
お金がかからない節税は、税法を駆使したテクニックのものがほとんどなので、税理士の腕前の見せどころです
交際費とならないものをきちんと税務処理する、税額控除の上乗せ要件を満たすようにする、
必要な投資に対しての税額控除をきちんと適用する、固定資産を適切に除却するなど、税法を駆使して節税を行っていきます
これをきちんと実行するには、クライアントと向き合ってる適切な会計事務所と適切に付き合うことが大事です
安さだけを売りにしてる会計事務所はリソース的にもここを正確にフォローするのが困難で、経営者が知らない間に取りこぼしている例をよく見ます

☑一番多い節税

パターンとして一番多い節税は、お金をかけて税金を先延ばしにする節税です
先延ばしにすることで将来の多額の経費に備えるなど先延ばすことに戦略があれば有用な節税です
少し前まで流行っていた節税保険はこのパターンの節税です
お金を払って保険に入って利益を圧縮し、5年後とかに解約して利益を出すので、利益を先延ばしにして税金を先延ばしにする節税の典型ですね
明確な将来戦略があるか、戦略はないがよっぽど内部留保があるか、その節税自体が儲けを産む商品として考えているか、でないとやるべきでない節税です
これも適切な会計事務所から適切なアドバイスを受けながら戦略的にやるべきです

☑地道が一番

そのほか、多額のキャッシュを伴わないにしても、事業として必要な投資で多少のキャッシュとともに節税できたり、
単なる税金の先延ばしであってもテクニックのみで先延ばせる節税もあります
これらは派手なものでなく、少額の節税が多いですが、
投資の費用対効果の観点や手元資金を1期でも多く残して事業に投資していくためにも地道に実行していくこが大事になります
節税は手元キャッシュを見すえてたうえで、中長期的財務戦略とのバランスで実行していくことが大事なのです
なんか良さそうというイメージだけで、適当にやってはダメです

日々実行できる節税例に次のようなものがあります

決算賞与を経費にする
末日以外の締めの給与
出張手当
社宅
社員旅行
固定資産の除却チェック
中古資産
修繕費
少額資産
関係会社を使った少額資産
関係会社を使った交際費
不良債権
連結納税
組織再編
税抜き経理(少額資産、交際費限度額)

1つ1つの詳細はまた別の連載にてお話します

☑まとめ

今回は節税のパターンを知ってもらうことで、節税のイメージをつかんでもらうことを目的としてお話をしました
節税はただがむしゃらにやるのでなく、投資の費用対効果や中長期的財務戦略のバランスで実行していくことが大事ですし
経営者が節税について知っていて、税理士と対等に話ができることも非常に大事です
節税についての具体的な知識やノウハウ、その実践方法はこの連載で順次お話ししていきます