スタメン公認会計士・税理士事務所 連載|銀行はあなたの会社を「格付け」して評価しています

スタメン公認会計士・税理士事務所の代表を務めます山田俊輔です
BIZALOTの連載企画にて、普段有料・無料のセミナーでお話している会社という組織とお金にまつわる大切なお話を記事として皆さんにお届けしています

会社が資金調達する手段として銀行から融資を受けるというのが一般的ですが、
銀行は会社を格付けしてお金を貸すかどうかを決めています
その銀行が会社を評価するために行っている格付けとはどういったものかをお話しします

☑格付け

銀行によって異なりますが、銀行はあなたの会社を10~12段階に分けて格付けしています
この格付けによって、
正常先、その他要注意先、要管理先、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先
という6つの債務者区分に分けて融資判断をしています
1が一番よくて1~6が正常先
7がその他要注意先
8が要管理先
9が破たん懸念先
10が実質破綻先と破綻先です
正常先の中でも1~3は神様ステージと言われていて銀行が拝みに来ます
8の要管理先になれば新規融資は難しいと言われています

☑決算書が大事

そして銀行が格付けを行うにあたって一番重要となる判断材料が決算書です
決算書以外に会社の経営計画や業界の将来性なども格付けするにあたって考慮されることもありますが、
決算書という過去の実績で格付けはほぼ決まります
決算書が悪かった場合に経営計画などを提出して格付けがあがることはありますが、
あがっても1.2段階くらいしかあがらないのと、よっぽど説得力のある経営計画などでないと格付けがあがることはありません
ですので、資金調達力をあげるために決算書を作りこむということを意識せずに
ただ数字を集計して税金計算して決算書を作るだけでは資金調達力はあがりません
資金調達力をあげることを意識しながら日々経営を行い、そういう決算書になるように努力しないといけないのです
決算書を単なる結果としてみるのでなく、会社の未来を創る為に活用するという意識が経営者には必要です

☑少しでも格付けがあがる努力をする

では、どう頑張ってもよくない結果が決算書で出た時に挽回する手段はないのかというと、必ずしもそうではありません
例えば良くない決算書を単に提出して要管理先と格付けされてしまえば新規融資を受けることはほぼ不可能ですが、
努力次第で1~2段階格付けをあげれば要管理先という評価を受けることを避けて、新規融資を受けることができます
その手段として有効なのが経営計画書の提出です
ただしこの経営計画書ですが、単なる数字遊びで作成しても全く評価されません
適切に自社のことを説明したうえで市場分析し、数字を裏付ける行動計画などがあってはじめて評価されます
経営計画書に納得性があって、それを適切に実行して行けていれば格付けをあげることは可能です

☑まとめ

今回は、銀行が行う格付けについてお話ししました
格付けの細かい内容を覚えて欲しいのではなく、
①銀行が会社を格付けして融資を実行するか決めていること
②格付けでは決算書という過去の実績が非常に大きいウェートを占めているということ
③格付けをあげる努力は決算書ができる前段階とできた後段階でもできるということ

この3つを知っておいて欲しいです
資金調達に関しての具体的な知識やノウハウ、その実践方法はこの連載でまたお話ししていきます