Theジーニアスバックオフィス~経営のNewスタンダード 統合体験の全貌を知る~|バックオフィスの日2023 in 大阪 レポート

バックオフィスの日2023 in 大阪
会期:2023年6月21日(水)
会場:梅田クリスタルホール
主催:freee株式会社

会計・人事労務・業務効率化など経営を支えるあらゆる業務の最先端が一同に会するイベント「バックオフィスの日」。昨年1月に大盛況だった東京での開催をふまえ、6月21日(水)に「バックオフィスの日2023 in 大阪」として初めての大阪での開催となった。

今回は当日のオープニングとして会場を盛り上げた、経営のNewスタンダードとなる統合体験の全貌を知るセッション「The ジーニアス・バックオフィス」の内容をご紹介する。

  • スピーカー:佐々木大輔氏(freee株式会社CEO)
  • スピーカー:東後澄人氏(freee株式会社CPO)

佐々木氏「統合型経営のプラットフォームを作っていく」

佐々木大輔氏(freee株式会社CEO)

みなさん、ご来場いただきましてありがとうございます。

「バックオフィスの日2023 in 大阪」ということで私自身はもともとスモールビジネス向けの会計ソフトを運営させていただいているんですけれども、最近ではバックオフィス全般を扱うようになりまして。こういったバックオフィスのイベントも去年からさせていただいています。

まずは私から、今日のキーワードとなる統合体験というところについてお伝えします。統合体験というのは、実は皆様の普段の生活においてもう既に当たり前になっているものです。しかしこれが、まだ業務に使うようなソフトウェアなどに浸透していないんですね。

統合体験の例を身近なところでいうと、Googleマップを使うとお店やホテル、電車や飛行機を探すといったことができるだけじゃなくて、口コミや写真を見ながらその場で予約をすることができますよね。問い合わせの電話もできるし。

普通は行き先を決めたところで行き方を調べる以外にも色々とやらなきゃいけないことがありますが、Googleマップの中でそれらができちゃう。統合体験はこういった仕組みになっています。

考えてみるとすごいことなんだけれども、実はもう日常で当たり前になっていて、「なんでこんなことできないんだ」という次の要望すら浮かんじゃうくらい。データが一つ繋がったら色んなことが繋がっていくことが、実は身近ではもう当たり前になってきているんです。

ほかには車なんかも今、どんどんまとまってきています。昔はナビゲーションとか車内の設定、携帯との接続なんかもバラバラだったんですけども、今は繋がるようになって。携帯電話の音楽の再生は特に意識しなくても簡単にできるようになってますし、ガソリンがなくなったら自動的にガソリンスタンドの行き方をおすすめしてくれます。車の外にいながら、乗る前に車内を暖めることもできる。

やはり、やりたいことが色々繋がっているんです。データが共有されているからこそできる。また、ウェアラブル端末もつけているだけで日々どんどん記録されていきますよね。記録した結果っていうのはインターネット上にまとまっていて、その結果としての活動内容や自分の健康に関する分析などがスマホなどでリアルタイムで見られる。これらも実際の行動と分析ツールなどがしっかりシームレスに繋がっているからこそ利用できるんです。で、これらの価値がまたさらに変わってきているんですね。

今、ChatGPTをはじめとしてAIがどんどん改善されてきています。この会場内にはChatGPTを活用した「透明書店」というものがあるんですけれども。「透明書店」というのは私たちが東京の方で運営している小さな書店です。そこの副店長をAIがやっていて、チャットで経営に対する試算とか、こういう本を選んだ方がいいんじゃないかなみたいなこともやってくれるし、接客も代行してやってくれています。

こうやって実験しながらやっていって分かってきていることは、AIって非常に使えるツールではあるけれども、「どんなインプットを与えるか」「そのインプットの形式がしっかり整っているか」とか、情報をしっかり与えることができているかによって、より良い答えが返ってくるのだということです。データが整然とまとまっているからこそ、こういったAIが活用できる。そういう構造にあるんだなということが、さらに分かってきました。

だからこれから先、色々なものに対し、やりたいことが繋がっていてデータが一つで管理できる重要性というケースが本当に増してきてるんですね。一方で、バックオフィスの現場について改めて考えるとまだまだなんです。例えばさまざまなシステムソフトあるいはエクセルのシートか何かをプリントアウトして社内で送って受け取ったものをまた入力するということが行われていたり。あるいは、何かを確認して記録しなきゃいけない。こういった仕事が色々残ってるんじゃないかなと思います。ただ、これらは業務が繋がっていないし、どこかでデータが一元管理されているわけでもない。みなさんの生活では当たり前になっていることが、バックオフィスの現場ではまだ実現されていないというようなことはいっぱいあるんじゃないかなと思います。

ただ、よりデジタルが当たり前になるような流れというのもできていて、電子帳簿保存法の改正だって今までの紙で保存するほうが楽だったという時代から、デジタルで保存する方が楽だよという世の中に変わってきたからです。来年からもさらに「デジタルの方が楽だね」という流れが強くなってくるでしょう。

さらにインボイス制度が10月から始まります。こちらについてもインボイスの登録番号が必要だとか、会計ソフトに新しい税率が入っているかとか、このあたりまではみなさんの中でも考えていらっしゃる方が増えていると思います。一方でこの制度が導入されると経費全体が変わってくる。そこをイメージして対策をできているかというとまだまだかもしれませんが、ますますデジタルでなんでもできるようになってきます。

そんな社会の流れもありまして、今日のイベントでは私たちだけではなくて、さまざまなパートナーさんの研究でありますとか、各分野のエキスパートさんのお話、最新のバックオフィスはどんなものなのかといったことをご紹介します。そして、いかに業務とデータが繋がっていることが当たり前になってきているのかといったところを、伝えていこうと思います。

ちなみに私たち「freee」は「スモールビジネスを世界の主役に」ということで、世の中に挑戦をしていき、あらゆるビジネスの皆様に向けて経営を強くするということをさせていただいております。特に大事にしているコンセプトとして、統合型経営のプラットフォームを作っていくということがあります。

東後氏「インボイス制度対応も統合で解決」

東後澄人氏(freee株式会社CPO)

みなさんこんにちは、東後です。「freee」のプロダクトの領域で統合体験をカバーしているものがいくつかありますので、どのように実現しているかということを具体的な事例を交えながらご紹介していきたいと思います。

まず、創業以来ずっと取り組んでいる「freee会計」なんですけれども、こちらだけでなく今では「freeeカード」 そして「freee確定申告」といったさまざまな領域でプロダクトを提供させていただいています。

これはみなさんもご経験があるのではないかと思うんですけど、発注して稟議を上げて、請求書を受け取って振り込みをしていくような業務。あとはカードを使った経費精算ですとか、支払いに関する様々な業務というのがあるかと思います。 

すでに発注稟議や請求、受け取りといったところに関しては、freeeのプロダクトで対応することができます。それに加えて今年中にリリースするプロダクトによって、発注稟議からその後の請求書を受け取って、振り込みをするところまでをカバーすることができます。 

一方で、この「freeeカード」に関しても、この「freeeカードUnlimited」というものをご利用いただくことで、単にカードを決済に使っていただけるだけではなくて、カードの利用制限をかけたりその後の利用報告ができたりと、より高度な形でこのカードを使うことができます。こういったことを通して、会計決済領域に関しても様々な統合体制を強化していこうと考えているのです。

また、HRの領域に関しても、「freee人事労務」というプロダクトがあります。加えてアウトソースとして「freee勤怠管理Plus」や、最近freeeグループにジョインした「Bundle」などといったさまざまなプロダクトをご提供することでHR領域での統合体験をご提供しようと考えています。

続いてご覧いただきたいのが、「freeeサイン」と「freee人事労務」という2つのプロダクトに共通した統合体験の事例です。

これは6月29日にリリースする最新の機能なのですが、「freee人事労務」上から、電子の契約書を簡単に送付することができるプロダクトになります。具体的な画面を使いながらご紹介していきます。

「freee人事労務」の画面上では、契約書の一覧を確認することができます。 

契約書を新規作成をする時に、今回は「サトウさん」という方向けに雇用契約書を送信したいとします。その場合テンプレートの中から、雇用契約書のテンプレートを選んでいただきます。そうすると、「freee人事労務」上にはすでにサトウさんの人事データが入っているので、自動的に入れた状態であとは確認だけをしていただいて更新していただくと、契約書が完成しているんですね。

さらに「freee人事労務」上では、契約書の一覧の画面から実際にサトウさんがこれに対応していただけたかどうかというステータスを確認することができるんです。

ここでのポイントとしては、人事労務の担当者の方が契約書を触ることがそもそもあまりないと思うんですね。 しかし「freee人事労務」という普段使っていただいているツールで雇用契約に関わるプロセスを全て行うことができるようになるんです。

 続いて同じような話を、販売管理についてもさせていただこうと思います。ここでは「freee販売」というプロダクトを使った統合体験をご紹介します。

 承認経路のプロセスを作る時にはその承認のワークフローを誰が承認するかっていう設定は、大体の場合バックオフィスの方がやることが多いと思います。 ですので、この「freee会計」上からどういった承認経路を作るかというところを設定していただくことができます。

この例で言うと、承認者を考慮して新しい見積もりの申請経路を会計上で作ります。「freee販売」を使うのはバックオフィスではなくてフロント側。営業の方が使ってらっしゃるので、「freee販売」で実際の見積もりを作りたい場合に先ほど「freee会計」側で作った承認経路をこちらで確認していただいて、それを選ぶと自動的に先ほどの承認者が選択されルようになります。そしてこの承認経路に基づいて登録申請をしていただくと、最終の承認者に届くような流れになっています。

これも先ほどの「freee人事労務」の「freeeサイン」に近いんですけども、「freee販売」を使ってらっしゃる営業の方としては、見積もり申請をして商品を回すことができる。 逆に、バックオフィスの方が使う「freee会計」側でちゃんと管理しておけば、全てが管理されたもののもとに進めることができると。そういった統合体験になっています。 

もう1つ、「freee販売」と「freee会計」についての、統合体験をご紹介したいと思います。

こちらは入金消込の機能です。 「freee販売」上で営業の方がご覧いただいてるページ上で、この「ツバメ株式会社」に対して200万円の未決済があるとします。

このデータというのは、「freee会計」上にも当然連携されておりますので、バックオフィス側でも同じ200万円の未決済未入金の売り上げがあることをご確認いただけます。 そして、実際にこの取引に対して入金があると、入金を確定されるバックオフィスの方は、「freee会計」上で実際に入金されたことを確認し、決済状況を未決済から決済済みという形でステータスを更新していただくことができます。

そうすると取引上でも先ほどご確認いただいたように反映されるんですけれども、その状態は「freee販売」でも確認できるんですね。ですので、担当者同士で直接話をしたり確認したりしなくても、自動的に反映された状態で見ることができるんです。

ここまでいくつかご紹介してきたんですけれども、統合体験の一つにイメージしていただきたい例として、提供させていただいている色々なプロダクトを管理しなければいけないというのはとても大変なんですけれども、それぞれの方が普段使っていただいている馴染みのあるプロダクト上から色々な手続きできているという裏側には、統合体験があるということなんです。

最後にインボイス制度への対応についてもご紹介していきます。

先ほど冒頭に佐々木が紹介をしておりましたけれども、直近でみなさんが課題意識を持ち心配をされているインボイスについても、「freee」は対応しておりますのでぜひご安心いただきたいと思います。

そもそも、インボイス制度の対応としては5つのステップがあると思っております。インボイスの登録申請、インボイスの発行業務の対応、取引先の状況のチェック、インボイスの保存業務、会計業務の見直しです。この5つのステップをこなしていただくことで、基本的にはインボイスの対応が可能です。

この5つのステップを「freee」ではサポートしております。

まず、ステップ1のインボイスの登録申請ですね。こちらについては、「freee」の場合は「インボイス登録申請ナビ」をご提供しておりますので、こちらをご利用いただけると面倒もなく、簡単に解決することができます。

続いて、インボイスの発行業務ですね。こちらについても、なかなかめんどくさい作業だなと思われる方が多いんじゃないかと思います。 こちらについては無料でご提供している「freee請求書」をご利用いただくことでインボイスに対応した業務を行っていただけます。

さらには3つ目の取引先の状況チェックになるんですけれども、こちらは取引先がインボイスに対応してるかどうかを確認するプロセスです。非常に煩雑ですし、毎回毎回コミュニケーションをとるというのも大変ですよね。こちらについても「freee」では「インボイス取引先管理」という無料のプロダクトをご利用いただくことで面倒な確認手続きやコミュニケーションを取ることなく進めていただけます。

そして最後に、ステップ4とステップ5をまとめるんですけれども、インボイスの保存業務、会計業務の見直しですね。こちらはインボイス制度に完全対応した「freee会計」を使っていただくことによって、インボイス制度の導入以降も基本的に全て簡単にオペレーションを回していただけるようになります。ぜひ、「freee」を使っていただいてる方に関しましては安心していただきたいです。

「ファイルボックス」という機能でスキャナーなどで写真を撮って領収書を取り込むと、これが適格に該当するのかどうか、そして、登録番号が何かっていうところを自動的に判定してくれます。それに基づき、これが適格なのかどうかに該当するかどうかのチェックマークが自動的についてきますし、このチェックがついてるかついていないかに応じて、適切な税区分というものが判別されるようになっております。 

ですので、この領収書を取り込んで、特に手入力はなくても、自動的に判別された内容を確認していただいて、「freee」に登録することで、自然と今まで通りの設定を完了していただくことができます。

あとは取引先として、例えば「ツバメ株式会社」を選んでいただくと、それが適格に該当するのかどうかを自動判定して、自動で経理の画面でも使っていただけます。明細を取り込んできた時に取引先が登録されている、もしくは手動で登録をすることによって、それが適格なのかどうかというところを自動的に判定していただくことができますので、どのような経路で経理のプロセスを回した場合にも、基本的には、新しい手間なく自動的に対応することができます。 

これは先ほどの取引先の一件一件に対して、それが適格なのかどうかというところをデータベース上で管理できてるからこそ自動化することができるんです。まさにこれもインボイス関連の統合体験だというふうに感じております。

というところでですね、私から色々な角度で実際の画面をご覧いただきながら、どうやって「freee」の統合体験というものを皆様にお届けしようとしているかをご紹介しました。今後の新しいプロダクトのリリースにも是非ご期待いただければと思います。そして、今日は、「バックオフィスの日2023 in 大阪」ということで「freee」の統合体験からお伝えしたんですけれども、 それ以外にもさまざまな会社様が取り組んでらっしゃる統合体験の仕方や色々な工夫についても、この後のセッションやそちらのコーナーでも体験いただけると思っております。

ぜひ1日楽しんでいただいて、かつ、たくさんの方法を持ち帰っていただければなという風に思っております。