スタメン公認会計士・税理士事務所 連載|保険による節税が出来なくなった今でもできる節税金額の大きい節税策 シリーズ①

2019年2月、いわゆる節税保険の販売が中止され、比較的手軽に多額の節税ができる手段がなくなりました
保険による多額の節税が手軽に出来なくなった今でもできる節税金額の大きい節税額がほかにもないのかという質問を沢山頂いていますので、
今回はその中でも金額が大きく節税できる「オペレーティングリース節税」についてお話をしていきます

オペレーティングリース節税

オペレーティングリース節税とは、飛行機やコンテナなどの商品を自社で購入するなどして航空会社やコンテナ事業者にリースすることで
出てくる事業の損益を取り込んだ節税を言います
飛行機などを自社で購入するパターンと、購入する匿名組合という法人に出資するパターンの2つがあります
どちらのパターンにしても、そのリース事業の損益を自社に組み込めるというところがポイントです
このリース事業は事業の1年目に大きな損失が出て、最終年度に大きな収入があるというのが特徴で、いわゆる利益の繰延による節税となります
1年目に大きな損失がでる理由は、商品の減価償却費が1年目に多額に出ることにあります
また、最終年度に大きな収入がある理由は、商品を売却するためです
節税保険があった時もオペレーティングリースが節税として使用されるケースがよくありましたが、節税保険と違って支払いが初年度の1回のみで
節税したい1年目の期に大きな損金が取れるというメリットがあります
節税保険は契約期間にわたって毎年保険料の支払いが必要で毎年その時の損金になるというものだったので、場合によっては使い勝手が悪かったので
このオペレーティングリース節税が重宝されるケースがありますし、今もよく使われています
代表的な商品の特徴について説明します

代表的な商品①飛行機

オペレーティングリース節税で一番代表的なものとして飛行機リースがあります
特徴としては、航空機業界が比較的安定しているのでリース事業のリスクが比較的低いという点です
ただし、リース事業の期間が長いことと、為替リスクがあるものが一般的であること、
飛行機の売却時に想定より値段がつかなくて損するというリスクなどがあるので、
他の商品と比較検討しながら実行するか検討する必要があります

代表的な商品②コンテナ

続いてコンテナリースですが、投資する金額が比較的低価額でできるのでお手軽性があるという特徴があります
また、リース事業の期間が短いということと、中古売却市場が安定しているという特徴もあります

代表的な商品③その他

そのほか、船やトラックや建築足場などを用いたリースもあります
それぞれ、飛行機やコンテナを使用したリースで実現出来なかった為替リスクの問題を回避したり、
リース期間を短くしたりなど商品によって様々なメリットを付した商品が多数出ていますが、
会社の事業に合わせて比較検討する必要があります
基本的にこのオペレーティングリース節税は
中途解約できない
投資元本が全て回収できるとは限らない(ただし大幅に儲けることもある)
本業でないのでよくわからない
などの注意点があるので、そのあたりをきちんと把握して実行するか検討してください

まとめ

今回は、手軽に多額の節税ができた節税保険に変わる節税手段としてのオペレーティングリース節税についてお話しました
これらは節税保険と比べると手軽性は劣りますが、この年度に出た利益を落としたいなどのニーズに応えられる商品など
自社の状況に照らした場合にメリットがあるものも存在しています
節税に関しての具体的な知識やノウハウ、その実践方法はこの連載でまたお話ししていきます