スタメン公認会計士・税理士事務所 連載|リスケを実行した場合の金融機関の本音

スタメン公認会計士・税理士事務所の代表を務めます山田俊輔です
BIZALOTの連載企画にて、普段有料・無料のセミナーでお話している会社という組織とお金にまつわる大切なお話を記事として皆さんにお届けしています


リスケとは、リスケジュールの略で、借入の返済条件を変更してもらって、返済を一時的に止めたり減額してもらうことをいいます
約束どおりに銀行借入を返済できない時に、条件を変えて返済できるスケジュールに変えてもらうため、リスケジュールと言います
今回はやむを得なくリスケを実行すると決まった時の金融機関の本音についてお話します

リスケ中の返済額に無理をしない

会社としては出来るだけリスケ中でも返済額を多めにして誠意を見せたほうがいいいのでは?など
リスケに関しての誤った認識があります
実際に返済額をいくらにするのかは、事業再生計画のフリーキャッシュフローを基に適正額が算出されるので
見栄をはる必要はありません
リスケ中の返済は0円でも100万円でも一緒です
産み出したキャッシュフローは適切にスクラップアンドビルドに使用し、上手に資金を回して欲しいと金融機関は考えています

架空在庫や架空売上など、膿を全て出す

そして今まではっていたかもしれない見栄もあれば全て捨ててさらけ出して欲しいと金融機関は考えています
具体的には、決算書上の見栄です
資金繰りがしんどくなればなるほど、会社によっては決算書に見栄をはる場合があります
これを粉で飾ると書いて粉飾といいますが、もし粉飾をしてしまっている場合は細切れに出していくのではく、
全て洗いざらいリスケ時に出してください
架空在庫も架空売上も全て出し尽くして膿をすべて出す
そのうえでリスケを実行してV字回復できるよう、実態を全て見せて欲しいと金融機関は考えています

真剣に改革に取り組む

リスケをしたからといって急場はとりあえずしのいだな、と安心しきらないでください
リスケを認めることで金融機関も痛みを被るので、抜本的再生に向けて真剣に改革に取り組んでほしい
と金融機関は考えています
V字回復を期待してリスケを認めるので、当然ですよね

再リスケだけは勘弁

また、リスケは3年くらいで卒業が望ましいが、慌ててリスケを卒業して、またリスケになるような事態は勘弁して欲しいとも思っています
じっくり焦らず完璧に再生を果たしたうえでリスケを卒業して欲しいと考えていますので、焦って卒業することは避けましょう

まとめ

今回は、リスケを実行した場合の金融機関の本音についてお話しました
とにかくリスケを実行するなら誠実にじっくり再生して卒業して欲しいと金融機関は考えています
あくまでリスケは再生の手段であって、倒産の先延ばしの手段でないので、当然ですよね
リスケや会社再生に関しての具体的な知識やノウハウ、その実践方法はこの連載でまたお話ししていきます