【必読】 インボイス制度 とは?中小企業の味方 税理士・神田知宜先生が教えてくれた制度の闇

ネット界隈でもざわつき始めている インボイス制度 ですが、大体の人の理解では益税と呼ばれる「税のポッケナイナイ」を無くすために作られた制度ってことだと思います。それ以外の人は、免税事業者にのみ影響のある制度だよねという理解の人も多いかも。
多分に漏れず自分もそう認識していたのですが、ある日Twitterで見つけたつぶやきは全くこれとは正反対のつぶやきでした。そのつぶやきの主が、今回インタビューさせていただいた神田知宜先生です。
今回は インボイス制度 の真実を株式会社神田どんぶり勘定事務所代表取締役であり神田知宜税理士事務所の代表であられる神田知宜先生にお聞きします。

中小企業を守りたい。そう思うには理由がある

左:神田知宜先生 右:BIZALOT向井

―先生を初めてお知りになる方もいるかと思いますので、プロフィールを簡単に教えてください。

「神田知宜税理士事務所」と「株式会社神田どんぶり勘定事務所」という資金繰りのコンサルティングを行う会社を経営しています。それ以外の時間は、海で釣りをしていることが多いですね。釣り好きです(笑)。

―釣りいいですね。まだ一度もしたことないんですよね。先生の事務所の拠点はどちらになりますか?

「神田知宜税理士事務所」は新潟市、「株式会社神田どんぶり勘定事務所」は千葉市なんです。自身の拠点は千葉市なんですが新潟は父の事務所を引き継いだ形です。

―学生時代は大阪に居られたんですよね?

関西大学だったんですが、大学出てからも税理士になるための国家試験取得のために大阪に残っていました。

当時の新潟には税理士資格を学べる大原簿記専門学校やTACのような学校がなかったんですよね。当時、勤めていた税理士事務所の所長が「とにかく資格を取りなさい」という考えの先生で、所員みんなで定時に仕事終わらせて、みんなで学校に通ってました。給料はあまり良くなかったんですけど受験勉強をしっかりとできるという意味では環境は良かったですね(笑)。

―税理士を目指されたのはお父様の影響ですか?

強迫観念で税理士になってしまったという感じです。正直、自分としては税理士にはなりたくなかったのですが、小さいころから逃れられない空気感が家の中にも外にもあったんですよ。やりたくないのに税理士をやらざるを得ない状況に追い込まれていったっていうのが正直なところです。

父からは直接的に税理士になれとは言われなかったんですけど、明らかにそれ以外の仕事に就くことが許されないような空気に、環境が支配されていたような感じでしたね。マインドコントロールですよ。そのような環境で育ったせいか「言っていることと本心が違う」とか「言っていることとやっていることが違う」というシーンに出くわすと物凄い違和感が湧いてくるんですよ。その辺がひょっとしたら人よりも敏感なのかもしれません。

―中小企業の社長が大好きだというメッセージがホームページにありますが、お父様の影響なんですか?

良くない意味でそうです。小学生低学年の頃に父の顧問先の企業が倒産して、それを苦にその会社の社長さんが自殺してしまったらしいのです。で、それを他人事のように父が母に話していたんですよね。隣の部屋でその話が聞こえてしまったんです。当時小学生の低学年くらいだったのですが、他人事のように話す父の態度がどうしても許せなくてね。追い詰められて苦しくなって自ら命を絶った社長さんのその苦しみとかをさらっと話していることに、小学生ながらに当時とても違和感を感じました。そのときの部屋の暗さだとか、温度、湿度、空気の匂いや声のトーンなどそのシーンをいまだにハッキリと覚えていて、53歳になった今でもそのシーンがよくフラッシュバックしてきます。あくまでも自己分析ですが、その経験があったから、経営者をいじめている社会とか仕組みに違和感を人よりも感じるのかもしれませんし、中小企業の社長を助けたいとか守りたいという想いがひょっとしたら人よりも少し強いのかもしれません。

―この辺りのお話が今回のメインテーマである『 インボイス制度 』のお話につながりそうですね。

インボイス制度 を理解する 

インボイス制度 は、結構わかりにくい制度なんですね。
①免税事業者をなくすこと
②登録番号制になること
という2つのポイントに分けて整理して考えるとわかり易くなります。

インボイス制度 とは、免税事業者を無くす制度であること

まず1つ目の、免税事業者をなくすということについて、どうやって無くしていくのか?そのやり方のことなのですが、現状では課税事業者に対する支払いと免税事業者に対する支払いは同じ扱いなんですよ。

ただ インボイス制度 が導入されるようになると課税事業者に対する支払いは導入後も変わらないんだけど、免税事業者に対する支払いがある場合は税額控除ができなくなるので、納税額が増えるんですよ。

―免税事業者に支払いを行った場合、支払い額が変わらなければ支払う金額は同じでも税控除を受けられない分、これまでよりも納税額が増えるということですね。

だから支払いを行う側からすると、支払先は課税事業者を選びたいんですよね。
経費の支払先も同じで、経費の支払先が免税事業者ならあなたの消費税は増えますよということなんですよ。カフェに行ったりとか、レストランに行ったりとか、そのお店が課税事業者だったら消費税額は増えないんだけど、それらのお店が免税事業者だったら消費税の納税額が増えるということなんですよ。その他にも、例えば会社で駐車場を借りているとか、オフィスを借りているとかありますよね?それらの不動産のオーナーが免税事業者だったら消費税額が高くなるってことなんです。

相手が課税事業者だったら消費税額は減ることもないけど、増えることもないんだけど、売上1,000万円以下の免税事業者への支払いがあると消費税額が増えるよというのが インボイス制度 の特徴ですね。
このようなやり方だったら「課税事業者に支払った方が得じゃん」という考えになるじゃないですか。支払先を選ぶときは免税事業者ではなく課税事業者を選ぶようになりますよね。このようなやり方で免税事業者を無くそうというのが インボイス制度 の実態です。「免税事業者のままでいるのか?課税事業者になるのか?その選択は任意だ!自己責任でやってくれ!」というのが税務当局の言い分です。まさにエグイやり方だと思います。

―免税事業者はたしかに事業をやりにくくなりそうですね。

買手から課税事業者になれと言われる可能性もありますよね。それに対して拒否するなら値下げするしかなくて、結果として利益が下がるわけですよ。仮に値下げできなかったとしたら、今度は取引を打ち切られる可能性もあるでしょうし。
私のクライアントさんに一般消費者向けのおしゃれな商品を作っている製造小売りの事業者さんがいて、そのデザインをデザイナーに依頼してるんですけど、デザイナーさんは売上1,000万円以下の免税事業者さんなわけですね。クライアントさんは免税事業者のデザイナーさんに、課税事業者になってくれとも言えない。仮にデザイナーさんが課税事業者になったとしても、その先に消費税納付することができなくて廃業に追い込まれることも可能性としてはあるわけで、これも結果的には発注する側のクライアントさんとしても仕事にならなくなるので困るんですよね。
だからしょうがないからこのままで良いのかなと、クライアントさんは話しておられましたね。でもそうなるとクライアントさんは納税する消費税額が増えてしまうんですよね。そんな板挟みで社長さんが悩んでいるっていう状況もあります。

―このままだと買手も売手も苦しくなりますもんね。

かといって、今のデザイナーと同じぐらいの技量を持った課税事業者のデザイナーを探すというのも難しいですよね。現実問題ムリですよね。
これは大きな問題で、デザインの良し悪しや腕の良し悪しよりも、課税事業者か免税事業者かで取引先を選ばせられるということなんですね。つまり税制が経済行為に介入し過ぎるということなんです。こんなことをしていては経済活動が歪んでしまいます。
腕のあるデザイナーがいても、その方が免税事業者だったら、買手は腕が劣る方の課税事業者を選ばざるを得ないケースも多く出てくると思います。これでは製品の品質は落ちていきますよね。

こういうやり方で免税事業者を無くしていくっていうのはひどいなと思いますね。

―かなり歪んだ感じがしますね。

徐々に納税額が増えていく経過措置っていうのも用意されているんですね。これはだんだんと首を絞めていきますよっていう制度です。
「これはありがたいです」という人もいるんですけど、これの魂胆は「 インボイス制度 を導入するための口実」だと思っています。こういう経過措置を用意していれば、国民はだまって登録するだろうという魂胆が見え見えなんですよね。「ありがたいです」なんて言ってる場合ではないと個人的には思いますけどね。

インボイス制度 とは、登録番号で管理されるということ

インボイスって何かというと請求書や領収書をひっくるめてのことなんですけど、この インボイス制度 によってそれらの様式が変わりますということです。
請求書や領収書に番号を記載する必要がでてくる。この番号が適格請求書発行事業者登録番号というものです。この番号は、法人の場合は法人番号の頭に『T』が付くだけなので簡単です。ところが個人事業主はマイナンバーにTが付くわけではないので、登録申請してそれの回答があるまでわからないんですよ。マイナンバーとは別に、インボイス用の番号が必要になるので管理の手間は増えます。
登録番号以外にも記載内容の変更を求められていて、これは税率ごとの消費税額を書けと言われています。これは請求書や領収書ごとになんですね。販売管理システムを簡単に変更できる事業者は、それでいいのでしょうけど、うまく行かない事業者も多くいて、とても悩んでいます。労力など手間が掛かるということだけにとどまらず、改修のコスト面でもかなりの負担増を強いられますから。

ー税率ごとに表示させる意図はなんなんでしょうか?

複数税率を増やしていく動きがあると言われています。税率の項目が増えていく、つまりは増税したいためなんですね。更にこれらの領収書や請求書を電子インボイスにしていくということも言われていて、これが整備されると24時間オンラインで国による調査ができるようになる。もうこれは監視国家ですよ。国はそこまで目論んでいると一部では言われています。
そう考えると、 インボイス制度 は、われわれ中小企業にとって非常に恐ろしい制度だとも言えますよね。 インボイス制度 は決まったことだから仕方ないよね、で済ましてしまっていいのか?強い違和感と強い危機感があります。

多くの人が勘違いしている インボイス制度 

この インボイス制度 では、免税事業者が大変になると思っている人が非常に多いんですが、免税事業者だけの問題ではないんですよ。

インボイス制度 の影響を受けるのは誰なのか?

―課税事業者にも影響がある。

課税事業者も インボイス制度 によって消費税額が増えることになるし、事務負担も明らかに増えます。こうしてコストが上がることによって課税事業者の利益が減ります。

―ということは値上げもあり得る。

そうです。もう全体的に値上げをするしかないですよね。結果、物価が上がるということですよね。

現在、円安による原料高で物価がかなり高騰していっていますが、 インボイス制度 によって更に値上げをせざるを得なくなると思います。つまり インボイス制度 は、単に免税事業者だけに影響のある制度ではなくて、課税事業者も含めて事業者全般と一般消費者が影響を受ける制度なんだと捉えておいていただきたいですね。

インボイス制度 の導入は決定?

先日、ある業界団体主催の インボイス制度 のセミナーに登壇したのですが、そのセミナーが始まる直前に、業界団体の一番偉い方が私の耳元でぼそっと言ったんですよ。「やっぱり インボイス制度 は導入されますよね?」と。

そのとき私はこう答えました「今日は、 インボイス制度 はまだまだ余裕で延期や中止にできるんですよ、という話をしにきたんです」と。その方のように、多くの人たちが インボイス制度 は導入されるものだと思い込んでいます。

―自分もそう思っていました。

でも事実を知ると、そうではないということがわかるんですね。 インボイス制度 というのは事実と違うことを皆が思い込んでいる制度なんです。皆が事実を知れば延期・中止になります。なぜそのような思い込みや勘違いが生まれるのかを説明しますね。

勘違いの原因である税理士には2つのタイプがいる

実務の現場で何が起きているかというと「何もわかっていない中小企業に対して、何となく刷り込まれている税理士が、申請登録を促している」です。

中小企業はみんな インボイス制度 の内容をわかっていません。そのわかっていない中小企業に顧問税理士が「どうせ導入されるし、社長のところは課税事業者だから早く登録申請しておいたほうがいいですよ」と言って、中小企業はわかっていないにもかかわらず、何となく顧問税理士に言われるままに登録してまってる。

―何となく刷り込まれている税理士というのは?

税理士には大きく分けて2つのタイプがあります。

その違いがなんなのかというのは、ピラミッド全体が国税当局と言われるもので、そのトップは財務省です。いまや政治家よりも強い権力を持っているところです。

そんなに権力のある国税当局と納税者である国民が直接やりあう関係だと、力の弱い国民はすぐにやられてしまう。だからこのピラミッドと国民の間に専門家を配置しようということで、税理士制度が作られた。私はそれを聞いて、税理士とはそうあるべきだと一応意識しながら仕事しています。そういう税理士は図の左側ですよね。でも、登録を促している税理士は図の右側の立ち位置なんですよ。

―税務署の一員として、働きかけていると。

ピラミッドの中に組み込まれてしまってますよね。もちろん、個人を責めているわけではないんだけども、やっていることは結果そういうことだよねと思うんですよ。

ーどうしてこうなってしまうんでしょうか?

例えば、税理士会には例会っていうのが各支部であるんですけど、地域の税理士が集まって2ヶ月に1回ぐらいあって、そこには税務署の職員も来るんですよ。

税務署と税理士の連絡協議会もその中で時間が組まれていて、その中で税務署の方が言うんですよ「 インボイス制度 の登録者が少ないので、ぜひとも先生方のお力添えをいただきたいです。 インボイス制度 の登録者を増やすには先生方のお力が必要です。ぜひともご協力お願いします!」っていつも言ってるんですよね。それに従っているわけです。

それと会計システムの業者も税理士に話していることも影響していると思います。「 インボイス制度 が法律として決まっていることを知っているから「延期中止になることはない」という話し方をするんですね。システムの開発も進んでいるうえに業者もお金を掛けて準備をしていますから。それらを鵜呑みにして税理士が刷り込まれてしまう。

インボイス制度 の事実

これは国税庁が発表した2022年9月末時点の数字ですが、課税事業者300万事業者のうち インボイス制度 に登録している事業者は120万事業者であるというものです。登録者数の割合は課税事業者のうち38%なんですね。これはなかなか大きな数字だなと見ていたんですが、分母に免税事業者を加えてみたんですね。免税事業者は500万事業者いるので、それを分母に加えると現在の登録している事業者は全体のたったの15%なんですよね。

この調査結果は、日本商工会議所の調べでいくと10%となっていて、調査機関によって数字の開きはあります。

免税事業者の数も財務省は500万と発表しているけれども、実際には1000万事業者ほどいるんじゃないのかという話もあります。

―副業の方も入るともっと増えますよね。

そうです。太陽光発電や、シルバー人材の方や内職の方なども加えていくと日本商工会議所の出している10%という数字にかなり近づきます。

インボイス制度 が導入されたら、ほぼすべての事業者が課税事業者になるので、制度として成り立たせるためには最低でも課税事業者の登録者数が95%を超えていないと制度開始ができないと見ています。

刷り込まれた税理士が頑張って中小企業に登録申請を促して、課税事業者の登録者数が伸びたとしても70%~80%くらいを予想しています。あくまでも予想ですけどね。もし仮にこれくらいの登録割合で インボイス制度 をスタートしてしまったら、世の中はぐっちゃぐちゃになってしまうと思いますね。収集が付かなくなり、取り返しのつかないことになりかねません。そうなれば、さすがに大人しい国民も怒りが爆発するんじゃないかな。

更に言うと、請求書のシステム変更などの インボイス制度 への対応準備ができている事業者数を日本商工会議所が出してるのですが、これがまだ7%。たったの7%しか準備に取り掛かっていません。裏返せば93%の事業者がまだ準備に取り掛かってもいないんですよ。これが現実です。

つまり、実務の現場では、事実と違うことを言って勧誘して、とにかく登録させるということが行われています。このやり方って、何かに似てるなぁと思いませんか?このやり口はカルトと同じですよね。そんな気がしてならないですね。信じ込ませて登録させるというやり方は異常だと思います。違和感しかありませんね。

インボイス制度 を延期・中止にするためのボイコット大作戦

― インボイス制度 への登録事業者数を増やさないための作戦を推奨されているんですよね。

推奨しているというか、こういうやり方がありますよという情報提供ですね。登録事業者を増やさないためにどうすればいいのかということでボイコット大作戦!です。

2023年10月1日から インボイス制度 のスタート予定になっていて、その6ヶ月前の3月末が登録申請期限なんですね。この登録期限ぎりぎりまで待ちましょうというのが『ボイコット大作戦1』です。

でももうすでに登録してしまったって後悔している社長さんもいらっしゃるんですね。その場合は、登録申請を無効にする取り下げを行う『ボイコット大作戦2』を活用できます。ボイコット大作戦2で「取り下げ書」の提出を2023年1月末までに行い、登録申請を取り下げて無効にしたあと、ボイコット大作戦1に戻る流れです。

神田先生のHPから無料ダウンロードできます。→ https://don-buri.net/info/info/entry-750.html

どちらも制度が導入された場合にも間に合うよう準備はしておきましょうという流れになっています。

本当に延期されるかどうか?ということについてですが、実は前例があるんですよ。電子帳簿保存法の前例です。今年2022年の1月1日からのスタート予定だったんのですが、ギリギリになって2年間延期するという発表がありました。ということで インボイス制度 も電子帳簿保存法と同様にギリギリで延期になるのではないかという声もあります。

あとなぜボイコット大作戦を展開しているかというと、 インボイス制度 の開始タイミングが良くないからです。コロナ融資は最長5年の据え置き期間というのがあって、それ以降に返済するという決まりなんですね。多くの事業者は3年という期間で借りていると思います。このコロナ融資の返済が始まるタイミングと重なっているのも インボイス制度 を止めるべき理由のひとつです。円安による物価高騰もある中で、返済も始まり、 インボイス制度 が始まってコスト増、消費税も増えるので、中小企業は大きなダメージを受けると思います。

― インボイス制度 と関係なく消費税増税の声も聞こえてきていますよね。

政府は増税する気マンマンですね。消費税がなくならない限り日本の景気は良くならないと思いますけどね。

消費税について、多くの方が勘違いしています。一般消費者が消費税を払っているという勘違いです。消費税の納税義務者は一般消費者ではありません。消費税の納税義務者は事業者です。そのように消費税法に規定されていますし、東京地裁・大阪地裁の裁判でも明らかにされています。つまり消費者は消費税自体を払っていません。何を払っているのかというと単に商品の値段を払っているに過ぎません。税込み11,000円の1000円部分は、消費税を払っているのではなくて単なる値段の一部を払っているということです。その1000円部分は国からレシートに書けと言われたから事業者が書いてるだけであってまったく意味のないものです。消費者に消費税を払っていると勘違いさせるようなものです。そういう意味で書いてあると考えていいと思います。

益税問題というのがありまして、簡単にいうと「消費者が消費税を払って、事業者が預かってから納税しているのだけれども、免税事業者はその預かった消費税を払っていない。納税せずに懐に入れてしまっているのはドロボーと同じだ!けしからん」と言われてるのが益税問題というものなんですね。

そう言われてみればそのように思うかもしれませんが、でも先程述べたように、消費者は消費税自体を払っていません。ただ買った商品の値段を支払っているだけです。売手は売上から仕入を引いた粗利益をもとに消費税を計算して納めています。事業者は人が払った税を預かるわけではありません。つまり益税というものは存在しないのです。でも税務署のパンフレットやポスターでは預り税のように書いてあります。これによって多くの人たちが刷り込まれている。それが インボイス制度 の賛成派を産む要因にもなっています。

また、 インボイス制度 の賛成派と反対派の中間に「仕方がない派」というのがあって、彼らは今更止められないと考えているのですが、実際はまだ登録申請者は少ないですし、準備に取り掛かっているところも少ないので、このままいけば導入できないというところを見ようとしません。賛成派も仕方がない派も事実とは違うところを見ているともいえるでしょう。意図的な人もいれば、刷り込まれている人も多いようです。

これに対して反対派がいます。 インボイス制度 によって税負担もコストも上がってしまって、結果として物価が上がる。これらによって景気が悪くなると考えてて、そうなると倒産廃業も増えていき日本経済が益々弱くなっていくと考えています。

2度の消費税増税後にコロナ不況、そのさなかに円安による原料高、そしてコロナ融資の返済が始まっていくというタイミングでの インボイス制度 の導入にも疑問が残ります。

反対派は、意図的だとか刷り込まれてるというわけではなく、単に事実に気づいたということだと思います。

―そういう皆さんに事実に気づいてもらうための時間を作るためのボイコット大作戦ですね。

そうですね。

ですから登録がまだの事業者(課税事業者も免税事業者も。以下同じ)は、ギリギリまで登録しない。ボイコット大作戦1ですね。そして、すでに登録申請してしまったという事業者は、ボイコット大作戦2で取り下げを行う。取り下げに関する様式を作ってあるので、どんぶり会計事務所ホームページからダウンロードして使ってください。

ボイコット大作戦をみんなでやれば インボイス制度 が導入されることはまずありません。逆にボイコット大作戦をせずにせっせと登録者を増やしていけば インボイス制度 は導入されてしまいます。
ボイコット大作戦をやるということは、あなたのためでもあり、みんなのためにもつながります。それをやることで多くの人が救われるのです。

―先生の活動や インボイス制度 のボイコット大作戦などに関しては神田先生のSNSからも情報が得られますので以下のリンクよりご確認ください。

株式会社神田どんぶり勘定事務所 https://don-buri.net/
神田知宜税理士事務所 https://www.kanda-keiri.jp/
YouTubeチャンネル https://www.youtube.com/@don-buri

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